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第三日目 — 2002.12.19

梱包材を求めて

昨日の夜、買った木製レリーフを船便で送りたいと、ホテルのフロントに相談すると、ビジネスセンターに行ってくれ、と言われたから、朝食後、レリーフ持参でビジネスセンターを訪ねる。梱包するものは何かないか、と聞いたけど、ないと言われて、でもビジネスセンターのおねえさんは優しい人で、新聞紙とビニールテープを出してくれて角だけ保護してくれた。これなら何とか持って帰ることは可能かも。でも、今日観光ついでに梱包材か何かを買えたら一番いいのだけれど。

上海街散歩

昨日の計画通り、地下鉄に乗って陜西南路で下車し襄陽路服飾市場に向かう。しかし、ここは日本人とわかるとブランドもののチラシを持った男の人が張り付いてきて買う気もないのにしつこく勧めてくる。なんとも気分が悪い。あまりの居心地の悪さにぐるりと一周しただけで、何も買わずに出てきてしまった。
そこから陜西南路を北に歩いて、100年以上前から栄えているといわれている南京路へいってみることにした。日本でいうところの日本橋か銀座って感じらしい。人民公園の東側を東西に走る西蔵南路を境に南京東路と南京西路に別れているのだけれど、南京西路の方が歩行者天国になっていて栄えていた。南京西路は日本でいうところの原宿かな?
上海はバーゲン時期なのか、「5折」「3折」などとかかれた赤札が貼られた店に出会う。「折」とは「割」のことでつまり半額セールをやっているらしい。そういうところには人が群がっていた。どこの国でもそれは変わらないらしい。
上海の街を歩きながらみんなひたすら写真を撮る。3kmは歩いたと思う。やっと人民公園に到着。人民公園はだだっ広い広場で真ん中に銅像が立っているのを想像していたら違って、庭園と遊園地をあわせたようなところだった。遊園地は平日なので何も動いていなかったけど。ここに入るのに入園料が3元(?だったような、不確か)。なにか間違っている。

速い!安い!おいしい!

人民公園を出たところのフードコートで昼食を食べた。屋台みたいなところで調理をしていて、外に出ているベンチで食事をする。ここは先に食券を買い求めて、注文すると席に持ってきてくれるシステムらしい。地元の人も利用している。点心が10個で8元、水餃子が5元、揚げまんじゅうが1.5元など、安くておいしい。点心は肉汁がじわ〜としみ出てきて、歩き疲れた体に染み渡る。昨日結構なお金をだして点心を食べたけど、どこで食べても味は変わらない。っていうか見分ける舌を持っていないのかも。安いし、おししいし、で結局2回も追加注文してしまった。でもレジまで注文しにいった人が席に戻ってくる前に、注文した品がテーブルまで運ばれてくるのがかなり不思議。厨房はどうなってるんだ?
ちなみに、ラーメンを食べたいといって麺を注文したけど、それはカレー味の麺だった。ちなみにそれは5元。違う麺のを頼んみたけどスープの味は変わらなかった。ここらへんがフードコートっぽい。

南京東路

それからバンドに向かうべく東へ向かう。初めは南京東路の1本南側の九江路を歩いていたのだけれど、南京東路の活気に押されてに向かう。そこにはいろいろなデパートがあって人がいっぱいいた。ここでエキくんはリバーサルのフィルムをわたしは昨日買った木製レリーフを梱包するためのシーツかタオルを買いたくて30分ほど自由時間にした。
いっぱいデパートはあるのだけれど、入る店入る店、洋服ばかりで生活用品はおいていない。あとからわかったんだけど、中国のビルに入っているお店は、洋服なら洋服、寝具なら寝具というように1つの建物に同じ種類の専門店が入っていてそれの集合体で表に看板が出ているらしい。日本の百貨店のイメージとは違うらしい。どっちかっていうとファッションビルに近いかも。

上海臥室用品公司

一つ一つの建物が専門店の集合体だということはわかったけれど、寝具を扱っている建物が見つからない。時間はなくなってうろうろしていると、わたしの目に殺到の中から「上海臥室用品公司」という看板が飛び込んでくる。あれだ! って心の中で叫んだ。「あれになかったらもうあきらめるよ」とかほにいい一緒に来てもらった。中は寝具やじゅうたん、カーテンなんかを売っているお店だった。しかし思っていた以上に寝具は高い。シーツは120元ほどしている。昨日あんなに値切って買った意味ないじゃん、って思ってみたり。でも船便で送ることを考えたら、ちゃんと梱包して飛行機に乗せてもらった方がやすいので買うことにした。結局、見て回って、タオルケットもシーツも値段が10元くらいしか変わらないから、柄の悪いシーツを買うくらいならと、タオルケットを買うことにした。97元也。ここではじめて伝票を持ってレジにいってそこで金を払い、払った証明書を持って店に戻って商品を受け取る、という社会主義的な精算形式に出会う。でも上海に来て寝具専門店に寄るなんて、わたしたちくらいだろうな。店員のおばちゃんも外国人がやってきてびっくりしてただろう。しかも商品を広げてくれようとしたのを断って、重さを実際持って確かめたのなんか、不審きわまりない。とりあえず緩衝剤は手に入れた。あとはガムテープとヒモだ。

バンド、浦東新区

南京東路をバンドに向かって東に歩く。歩行者天国内には遊園地なんかにありそうなミニ電車が走っていたけど、どうやって乗るのかわからなくて、結局歩いた。途中の文具店でわたしはヒモとガムテープを手に入れて、エキくんはリバーサルのフィルムを店員にいやな顔をされながら値切って買っていた。それからおみやげやさんを2件ほど見て、やっとバンドに到着した頃はもう夕方。黄浦公園から浦東新区の東方明珠を眺める。南京東路からバンドに抜けたとき、始めに目に入ったのが、この二つの珠の東方明珠塔。アジアで一番高いテレビ塔らしい。バンドから眺める浦東新区はまるで近未来。振り返ったときにバンドの歴史的建築物とのギャップはおもしろい。ここもゆっくりみたいけど、東方明珠からライトアップされたバンドを見たいから先に東方明珠塔に登ろう、ということで、観光隧道を通って対岸に渡った。往復で40元取られたけど、まるでテーマパークみたいなその乗り物をひできはかなり気に入ったらしかった。たぶん、ここにこんなものをつくってしまうのか、っていう半分ばかばかしさみたいなものを感じたのかな?

東方明珠塔

東方明珠塔はとりあえずでかかった。広角レンズじゃなかったらずいぶん離れたところからじゃないとその全貌がカメラのレンズに収まらないらしい。エキくんは100mくらい先まで走っていってカメラに納めていた。そしてその高さと同じく、東方明珠塔の入場料はめちゃ高い。263mの展望台で50元、350mで100元。でも、ここまできたんだから、といって高い350mまで登ることにした。昨日の夜、高い上海料理を食べてからどこかおかしくなっている。エレベーターで一気に263mまで登る。少し霞がかかっているけどかなかかの景色。しばらく見てから、さらに上の350mまで登る。さすがにプラス50元も出して登る人は少ないらしく、ガラガラ。豫園や淮海路の明かりが徐々についてゆくのはなかなかきれいだった。バンドのライトアップがされるまで待っていたんだけど、なかなか付かない。1時間くらい待って、6時になったらあきらめよう、っていって座っていたんだけど、結局つかなくて、下に降りた。待っている間、ヒデキとはるか、あいぽんは寝ていた。
帰りは263mまでいったん降りてそこから、今度は90mにいくエレベーターがあったからそれに乗ったんだけど(他の人は誰も乗ってなかった)、90mの展望台は屋外でとてつもなく寒かった。みんな即出口に向かう。
帰りの空港までのバスの中でガイドさんが教えてくれたのだけど、ここには上海民族資料館みたいなのが今年オープンしたらしい。しかもその入場料は東方明珠塔の入場料に含まれているらしい。確かに半券を見ると資料館らしきロゴがあり、そこだけ切れ目が入っていなかった。上海の民家や歴史なんかの展示があったらしい。もったいないことをした。「地球の歩き方」にもそんなことは一言も触れてなかった。上海は変貌のスピードが速いのを実感した。

ライトアップ

外に出て観光隧道の入口まで向かっていると、対岸のバンドの明かりがちょうど点灯したところだった。時間は6時40分。どこかにHPにバンドのライトアップは7時から10時くらいまで、と書いてあったような気もしたけど、冬だからもっと早くから付くだろうって思っていたのは間違いだったらしい。夏でも冬でも7時からなのか? ここらへんが社会主義なんだろうか。
川辺の方まで行ってみたけど、その先の公園への入口のフェンスは閉まっていた。でも、ライトアップのあまりの見たさにエキくんがフェンスを乗り越えたのを筆頭に、あいぽん、かほと続いて乗り越える。ちょうどわたしが乗り越えようとしたとき、向かいから中国人の団体がこちらを指さしながらやってきて、その不気味さにはるかと思わず立ち下がる。あとから考えたら自動販売機のジュースを買いに来ただけなんだと思うのだけど、そのときは襲われるんじゃないかと思った。そんなこんなしてるうちに、バンドのライトアップを見た3人が戻ってきて、また観光隧道を通って対岸のバンドに渡ることになった。ヒデキはまたあの電飾ショーが見られるのが楽しみだといっていた。
バンドから日が暮れた浦東新区のビル群を眺めると、そこはどっか他の星っぽい。雲に覆われてぼやけた月が東方明珠塔の上に見えてさらに幻想的だった。ここで始めて6人で記念写真を撮ってもらう。上海人は日本人に負けず写真好きみたいで、わたしたちが川辺の柵に寄りかかって東方明珠塔を眺めていたら、写真を撮るのにじゃまだからどけ、っていわれたし。なんだか殺気が違った。

バント越しの花火

メインイベントの上海蟹を食べるために取った新吉子の予約は8時半で、1時間ほど時間があるからどうするかということになった。わたし以外の5人はおみやげを買いたい、といっていたけど、わたしはさっき見られなかった対岸からのバンドの夜景が見たかったから、わがままは承知で別行動にしてもらった。
歩いて河南中路駅まで行って、そこから地下鉄で対岸の陸家嘴路駅まで行く。一番出口を出たらすぐが東方明珠塔の入口だった。始め、上海国際会議場の方に向かって歩いたが、そこからは川辺の公園に入ることはできなかった。引き返して、南側のバス停の方の入口から公園に入ることができた。川辺のベンチに座って5分ほどバンドのライトアップを眺めた。そろそろ帰ろうかと思って立とう瞬間、ど〜ん、と大きな音がして花火が上がった。量も大きさもたいした花火じゃなかったけど、バントのライトアップ越しの花火にかなり感動した。
そこから小走りに地下鉄の駅に向かう。途中おみやげに売り子に何人か出会うが、わたしの血相と昼間買ったタオルケット(透明な袋に入っていた)があまりにも怪しかったのか、誰一人声をかけてこなかった。観光客に見えなかったのかも知れない。

なぜかまた迷う新天地

新天地に向かう地下鉄の中も上海人のフリをして乗っていた。陸家嘴路駅から人民公園までの2号線では車内で新聞を売りに来て木製レリーフの梱包用に買いたかったのだけど、上海人ではないのがバレるとまずいかと思い買いとどまった。人民公園で1号線との乗り換え、ここではたくさんの人が乗り換えるらしくその波についていったら、簡単にのりかえられた。乗り換えはかなり歩かされたけど。そこから一駅、今回で3回目の黄陂南路駅へ。いつもの太平洋百貨店の出口から地上に上がる。地上にあがって新天地の方向に歩き出したはずが、途中から道が細くなりあってるのか心細くなって、道を曲がったりしていたら、迷ってしまった。昨日の夜は淮海路沿いが電飾していたはずなのに今日はまったく光っておらず、通りを見失う。予約の8時半を過ぎて、焦って地図を見返してみたら、どうやらはじめに歩いてた方角であっていたらしい。細い道を抜けると新天地の煉瓦造りの街並みが見えてきた。新吉子は一番手前で、あいぽんやはるか、かほが待っていてくれた。ありがとう。
わたしが夜景を見に行っている間、5人は新天地の雑貨屋で買い物をしていたらしい。たぶん、SIMPLY LIFE や上海組合などにいったんだと思う。わたしも行きたかったかも。

上海蟹

とりあえず、新吉子に入り、食事を注文する。日本語がしゃべれるスタッフがいたので、相談しながら、あいぽんが大皿料理をいくつかとメインの蟹を注文する。しかし、メニューにあった蟹は上海蟹ではないとお店の人が教えてくれた。隠しメニューなのか? 上海蟹は1盃、150元した。普通に考えて高い。11月から1月が上海蟹の時期だとガイドブックには書いてあるけど、卵を持ったメスが食べられるのは11月らしい。12月の今の時期はオスしかないといわれた。オスであろうと何であろうと、ここまできたら食べるしかない。ゆでる前にこれでいいか、といって見せてくれたのだけど、1盃が 10cm くらい。日本のタラバガニとかを想像してたら、その小ささにびっくりする。今日もビールとワインを頼んで飲みつつ、上海料理を食べる。中華料理って何を食べてもおいしい。そして最後に、この旅行のメインの上海蟹の登場! 上海蟹、蟹みそがすごくおいしかった。はっきり言って身はそれほどない。でもおいしいけど、食べるのに時間がかかって、お店で一番最後までわたしが食べていた。

ジャズバー?

かなりの量のアルコールが入って、そのままどこかに飲みに行こうということになる。新天地で飲んでもいいのだけど、ガイドブックに夜の街と書いてあった衡山路に行くことにした。ここの方がわたしたちが泊まっているホテルに近いから。
タクシーで向かうことにしたのだけれど、始めに乗ったタクシーはそんなところわからない、といわれる。次のタクシーも同じことを言われたので、淮海路まで出て衡山路向きに走っているタクシーを捕まえたら、すんなり連れて行ってくれた。Full House というジャズバーに演奏されている今日はどう考えてもジャズじゃない。あいぽん、かほ、はるかの勢いが止まらず、飲んで飲んで飲んで、結局店を出たのは2時を回っていた。店の人にタクシーを拾ってもらって、ホテルまで戻った。

梱包

たぶん、ほかの5人はこれで寝たのだろうけど、わたしには大事な仕事が残っている。それは2日目に買った木製レリーフの梱包。船便で送るのもやめて一緒に持って帰ることにしたから、それに向けて梱包のし直し。今日買った、タオルケット、ガムテープ、ヒモと、今日の朝ホテルのビジネスセンターで角が傷つかない用に新聞紙を巻いてもらったから、それをエキくんから借りたハサミできれいに切り取って、再利用。かほも初めは手伝うといっていたけど、どう考えても無理(飲み過ぎ?)なので、先に寝てもらった。タオルケットを木製レリーフに巻き付け、ヒモで固定。さらにその上から新聞紙を巻いてガムテープで留める。ヒモを持ちやすいようにかけて、できあがり。こう書くと結構簡単そうだけど、2時間くらいかかった。さらに散らかっている荷物もまとめて5時過ぎにやっとベッドに入る。どう考えても、明日は辛いよな。

小心地滑

雨の日、至る所に置いてあった注意を促す「小心地滑」の看板。実際、地下鉄の階段で滑ってしりもちついたし。滑ることを注意するよりも、滑らない素材でつくってほしい。

上海体育場

泊まっていたホテルのあった上海スタジアム。8万人収容。すごく大きくて広角レンズじゃないと全貌が入らなかった。

ケンタッキー

上海にはマックよりもケンタッキーが多く目に付いた。中国人は牛肉より鶏肉が好きなのか?

襄陽路服飾市場

午前中だったからか人が少なかった。あんまり楽しく買い物する雰囲気ではないかも。

案内板

通りにはだいたい通りの名前と方角が入っている。それでも昨日は迷ったけど。

郵便ポスト

中国のポストは緑色。街に溶け込んでいる。見つけにくいかも。

街並み

煉瓦造りの昔ながらの民家と高層ビル。

トロリーバス

トロリーバス。上の電線から電気を取って動くバス。レールのない市電みたいなもの? 駐車車両などがあるとよけられるように、ファンタグラフの部分が上下左右に動くようになっている。

床屋

床屋の前のぐるぐる。黒と白。日本の赤と青は動脈と静脈を表してるっていうけどこれは何を表しているのだろう。

人民公園

イメージと違った人民公園。もっと共産党チックなものを想像していた。

フードコート

人民公園横のフードコート。速くて安くておいしい。肉汁が飛び出る点心とゴマまんじゅうがお勧め。

ラーメン?

カレー味のラーメン。不思議な味。

南京東路

中国の原宿 (?)、南京東路。歩行者天国で、道の両脇にはいろいろなお店がいっぱいある。今年オープンしたばかりのユニクロもあった。淮海路より大衆的な感じ。

浦東新区

バンドからの東方明珠と浦東新区のビル群。話し合った結果、ここはお台場に決定。

観光隧道

観光隧道のなかの電飾、色が変わる。

東方明珠より

東方明珠塔からの夜景。バンドがライトアップされてたらもっときれだっただろうな。

バンドライトアップ

バンド対岸の公園からの夜景。

上海蟹

上海旅行のクライマックス、上海蟹のディナー。

衡山路

衡山路のジャズバー。ロウソクの明かりがきれい。