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第二日目 — 2002.12.18

朝食

朝、8時半に下のロビーで朝食に待ち合わせをした。朝食はバイキング形式で好きなものを食べられる。その場でオムレツなんかも焼いてくれる。メニューは主に洋食と中華。
1日目の今日は前日のわたしの妄想通り、上海の主なところ、豫園(ユーユエン)を観光、昼食に緑波廊酒楼(リューボーランジウロウ)で点心を食べ、その後、東台路古玩市場(トンタイルーグウァンシーチャン)で木製レリーフを購入して、夕飯をHanakoに載っていた新天地(シンティエンティ)にある今上海で人気の新吉子(シンジースー)で上海蟹を食べて、時間が許せばバンド(外灘・ワイタン)のライトアップを見にいくということになった。まあ、他に誰も下調べをしている人がいなかったからなんだけどね。明日の蘇州行きは、今日も朝から雨なので、今日の観光次第で、ということになった。
一度部屋に戻って、再び集まっていざ上海観光に出発。

METRO

出発前に見たYahooの天気予報では上海滞在の4日間は曇りと雨マークだったけど、本当に雨だとさすがにがっかりする。傘を持ってきていたのがかほとわたしの2人。まずは地下鉄の入口とコンビニを目指して歩く。上海体育館を外に出たところで道の向かいにコンビニを発見。ビニール傘を買いにゆくが2本しか売ってなかったらしい。ヒデキがコンビニで地下鉄の入口を訊いて、向こうと上海体育場の向こうを指差されたので裏を目指して歩き出したけれど、それらしきものはなかった。そうなったらおもしろいとは思っていたけど、元いたホテルのところに戻ってきてしまった。結局、そのあと2、3人に訊いてやっと地下鉄の入口にたどり着いた。中国では地下鉄を "SUBWAY" といっても通じないらしい。フランス式に "METRO" というらしい。確かに地下鉄のマークも "METRO" の "M" をデザインしてる。それも地下鉄の入口に着いたから気が付いたことなんだけどね。
地下鉄で黄陂南路駅を目指す。9時前にホテルを出発したのに、黄陂南路駅に着いたら10時だった。上海スタジアムを1周したのが効いている。そこから歩いて豫園を目指す。あとから地図を見たら、人民広場駅で地下鉄を乗り換えて、河南中路駅から歩いた方が近かったみたいだけど。黄陂南路駅は今話題の新天地の最寄り駅ということもあり、デパートや銀行なんかがいっぱいある。でも雨の日の午前中ってこともあってか人通りが少ないけど。でも、雨なのに中国人はポンチョを着て自転車で街を走ってる。ちょっと驚き。

豫園(ユーユエン)

淮海中路→淮海東路→人民路を雨の中ひたすら歩く。昔の中国っぽい豫園商場(ユーユェンサンツェン)の中を通って、豫園に到着。豫園入場料は25元。ちょっと高い気もするけど、せっかく上海まで来たので入る。豫園は、明時代に造られた江南地方を代表する私庭園で、当時は5万m2もあったらしい。アヘン戦争や日中戦争による爆撃などで破壊され、中華人民共和国になってから改修工事が行われて一般公開されたのは1956年から。現在のように豫園の周りに豫園商場があるというような形になったのは、1999年頃からの再開発以後。それまでは庭園と商店が混在していたらしい。
豫園は額縁効果を多用した庭園。至る所に塀があってそこに変な形の穴が空いている。それで切り取られた庭園がおもしろい。
万花楼の前で美人で日本語が達者な案内のお姉さんが樹齢400年の銀杏の木の逸話を話してくれて、奥に中国茶の試飲できるところがあると教えられてそこにゆく。そこでいろいろな中国茶を飲ませてくれた。試飲は豫園の入場料に含まれているから、とお姉さんに説明を受けたけど、ただより高いものはない。初めは中国茶の試飲だったけれど、だんだん話は茶器やお茶っぱの売り込みの話へとシフトしてゆく。いいお茶はいい急須で入れないと意味がない、っていわれて、紫土でできた急須を勧められる。そうかなって思ってしまう自分がいたりする。でも、わたしの目的は木製レリーフであるから、ここで高級品の茶器を買うのはやめておく。あいぽんとはるか、かほの3人は急須とお茶を買っていた。紫土の急須は堅くて丈夫で落としても割れないらしい。そして使い込めば使い込むほど、エキスが染み込みお茶がおいしく入れられるそうだ。

ハンコ — 豫園商場

豫園を出たすぐのところのおみやげやさんで、エキくんとヒデキがハンコ屋に捕まる。出てすぐのところなんて絶対高くふっかけるに決まっているのに。と思いながらその様子を遠巻きに見ていた。どうやら二人は 1/3 近くまで値切ってハンコを彫ってもらうことに決めたらしい。
彫り終わるのを待つまで、女4人は豫園出口付近のおみやげ屋さんを散策する。わたしとかほは来る前から使えるハンコをつくろう、っていっていて、いろいろな店を見て回った。豫園出口から40mほど離れた鼻煙壺(瓶の中に絵が描いてある置物)に間借りしているハンコ屋さんではんこをつくることにした。決め手はいい柄の石が多かったことと、始めに2人で見ていたときに傍で印鑑を彫っていたお兄さんが一言も声をかけてこなかったからゆっくり物色できたこと。つくろうと決めてからはお姉さんが出てきて接客してくれた。片言の日本語とプラス身振り手振りで買い物した。かほが、これは堅い石か? みたいなことを訊いたら、棚の角に石を叩き付けて「堅い」と示してくれた。結局、いろいろな石の値段を訊いて、大きいのと小さいのの2つでいくらっていわれて、さらにわたしもあと2つ買うから負けてくれ、っていって結局その店で4本購入。字体を選んでお金を払って、20分後に取りに来ることになった。
あとから聞くところによると、エキくんはハンコ屋さんに3回も名前の配列順を間違えられたらしく、彫り直してもらっていたらしい。まあ、日本人で一文字の名字ってめずらしいからねえ。

昼食・点心

昼食は計画通り緑波廊酒楼(リューボーランジウロウ)で点心を食べる。ランチタイムは2時40分までらしくぎりぎりで入場。それ以後はティータイムで食事らしきものは出てこないらしい。危なかった。大皿料理を適当に選んで、最後にティータイム用の点心の盛り合わせを頼んで、一人45元。ちょっと点心の量が少なかったかな、と後悔。
その後、頼んでおいたハンコを取りにいって、その仕上がりにかほと2人で満足。おみやげにも、と2人で2つさらにオーダー。かほが彼氏にもつくりたいと言い出して他の店を見て回ってみたけど、高かったのと石の柄が気に入らなかったから、やっぱり最初の店に戻ってきて、また注文していた。最後のは、字が簡単だったからか、その場で3分もかからずにできあがった。でも字が簡単だからかできあがりは少し密度にかける感じ。まあ、かわいいのはかわいいのだけれど(笑)。結局、同じ店で7本買って、帰るときに店のハンコの棚を見たらすかすかだった。ちょっと買いすぎたね、って2人で笑った。
ホテルに帰ってからかほとできあがったハンコを見ながら話し合った結果、見栄えのよいハンコをつくるためには、「文字の密度をあげること」が重要だということになった。まあ、名前だから変えようがないんだけど。例えば、名字が簡単だったら、フルネームでつくるとか、周りに飾りのあるものを選ぶとか。ハンコは名字でつくらなければいけないとは決まっていないので、女の子だったら下の名前でつくるのがおすすめ。これなら例え結婚して名字が変わっても使える。わたしたちがつくったハンコ屋さんは他に比べると少し選べる字体の種類が少なかったかもしれないけど、たぶん他のハンコ屋さんでつくっても同じ字体にしていたと思うけど。

東台路古玩市場

それから豫園商場をうろうろして、河南中路まで出てタクシーを拾って東台路古玩市場に向かうことにする。6人だからタクシーは2台で、もしはぐれたときのために待ち合わせを淮海公園にしてから出かける。エキくんが途中でお茶を買っていたのとわたしとかほが寄り道をしていたから、前を歩いていた3人とはぐれて、河南中路に出たときにはもう見あたらなかったから先にタクシーに乗ったんだろうって思ってタクシーで東台路古玩市場に向かった。
タクシーで骨董市らしきところに着いたので、ここでいいよ、といって下ろしてもらった。角を曲がったところに公園があったから、そこが待ち合わせの淮海公園だと思ってぐるりと1周したけれど、3人の姿は見えず、しかも道の向こうのブロックも公園で地図と何か違う、と思って一生懸命通の名前と地図と公園の場所を照らし合わせてみるけど、現在位置がいまいちよくわからない。しかも雨だし日が暮れ始めて地図も見にくくなる。下手に動くのはやめて、現在位置を地図とにらめっこしつつ、3人を待つことにした。20分くらい待っただろうか。エキくんが、自分が3人を待つから2人で目的の店に行って来れば、っていってくれて、かほと2人で歩き始めたら、向かいから3人が歩いてきた。どうやら3人は河南中路でわたしたち3人が来るのを待っていたらしい。かなり遅れをとったし見回しても誰もいなかったからてっきり先に行ったのかと思っていた。

木製レリーフ

それから、方向感覚がわからないまま歩き回り、なんとかHanakoに載っていた目的の木製レリーフ屋さん、寧波王凱古玩イ家イ私行を発見。中に入って見てみたけど、思っていたより1つが小さい。かほは木製レリーフを襖と交換しようとしていたのだけど、襖ほどの大きさはなく、なんに使おう、って迷い始めた。わたしは玄関はいったところの目隠しのためのパーテーションにしようと思っていてので、そこまで大きいものは必要なかった。英語も日本語もできないお店のおばちゃんにいくら?って聞いてみたら、450元といわれた。高い。普通に高い。雨でなかったら、500元だ、と身振り手振りで伝えられる。渋っているといくらだ? って聞かれて、200元いって入れたら、それはダメだ、っていわれた(実際は、いわれたような気がするだけなんだけど)。他も見てくるといって店を出たけど、おばちゃんは引き留めなかったから、きっと200元では売ってくれないのだろう、ってかほと話をする。東台路をぶらりと見て回ったけど、日も暮れて雨だからどこの店も店じまいを始めたところだった。来るのが遅すぎた。
ぶらりとしてエキくんがトイレに行くといって、公衆トイレに駆け込んだ。中国の公衆トイレはどこも有料でチップを払うのだけれど、ここのトイレは6角(10角=1元)だったのに、エキくんは6元払ってきたそうだ。わたしもベトナムでやったけど、間違えるのは10倍単位が多いらしい。でもエキくんの場合は出して10倍だからねえ。しかもしきりの壁がものすごく低くて、他の中国人が用を足しているところを見てしまったらしい。かわいそうに。
木製レリーフはちょっと高い気もしたけど、上海に来て欲しかったものリストに筆頭だっただけに購入することにする。再び店に戻って値引きを交渉したけど、向こうも手強くなかなか下げてくれない。結局、330元で縦1m、横80cmくらいのものを2枚購入。この木製レリーフは窓格子らしく2枚で一組らしい。しきりにおばちゃんが「レイリャン、レイリャン」といていたけどその意味は結局わからず。最後に雨が降っていなかったら下げても380元だとお得感を強調されて店を出る。本当にお得だったかは謎。そして雨が降ってる中で買うんじゃなかったと、このあと思い知らされることになる。

風、雨、闇、迷。

依然として東台路古玩市場の現在地と地図上の位置が一致しない6人は次なる目的地、上海蟹を食べるべく新天地の新吉子を目指そうとするがどちらに歩けばいいかわからない。わたしは買った木製レリーフを持つだけで精一杯で地図をヒデキとかほに渡してそのあとをくっついていくことにした。大きめの道には通の名前が書いてある看板が立っていて、東西南北が書いてあるのだけれどその方角が看板によって違っていたりする。わけわからないまま、通りがかりの中国人に道を何回も聞いて、最後にはお巡りさんにも聞いて、やっと新天地に到着した。とてつもなく長い時間さまよったような気がするけど、あとから考えれば1時間も歩いていなかった。日も暮れてきてどこにいるのかいまいちわからない状態で雨風が強くなってきて、しかも重い木製レリーフを抱えた状態だったので余計に長く感じたらしい。ホテルで地図を見直してみてわかったのだが、タクシーを降りて淮海公園だと思った公園は実は違う公園だったらしい。

新天地

新天地は煉瓦づくりのおしゃれな街並み。さながら青山って感じ。目的の新吉子は人気のお店らしく、その店だけ異様に混んでいた。上海蟹の期待を抱きつつお店に向かうと予約がなければダメだと断られる。もう歩くのはいやだといって始めにJTBでもらったガイドブックにあった夜上海というお店に行くことにした。着いてみてびっくり、今まで入ってきたレストランと明らかに店員の接客が違う。途中からあいぽんとはるかが持ってくれた木製レリーフは預かってくれた。こんなもの持ってやってくる日本人はいないだろうな。
1階の窓際に面した席に通される。6時過ぎということで、まだお客さんは少ない。照明が赤い。なんだか不思議な気分。メニューをみてびっくり。やっぱり、今まで入っていたレストランと明らかに一皿の値段が違う。およそ2倍くらい。ヒデキとエキくんが今回の食事の注文は俺らに任せろ、というので任せたけど、結局決めきれなかったらしく、あいぽんとはるかが店員さんに聞きつつ注文する。ここは高いだけあって、注文されたものをコンピューターに入力して管理しているらしい。日本でもなさそう。
注文をし終わって、料理を待っていると徐々に人が増え始めた。入ってくるのは結構きちっとした格好をした上海人。わたしたちみたくカジュアルな格好をした人は見かけない。ん〜。明らかに入る場所を間違えたよな。日本でいったら、きっとKIHACHIレベルの店なんだろうな。なんて思ってみたり。貧乏旅行のはずが、誤算で豪遊してる。いいのだろうか。
まずはワインが出てきた。頼んだワインは1本250元! 高すぎ。それでも一番安いワインだったのに。上座に座っているエキくんのところにテイスティングが来る。エキくんは、テイスティングなんてするのははじめてだ、っていってそれっぽく飲んでこれでいい、っていった。悪くても困るんだけど。徐々に料理が出始めて食べたけど、いつもより明らかに量が少ない。値段にビビッて少な目に注文したらしい。そうだよね。ここでの食事は上海蟹を食べていないにもかかわらず、130元。豪遊だ。
ちなみにここの男性用トイレはすごかったらしい。手を洗っていたらハンカチを差し出してくれるらしい。それにエキくんが感動して、ヒデキもトイレに行っていた。女性用はただハンカチがカゴに入っておいてあっただけだけど。
帰り際に上海のスタバに寄った。スタバのコーヒーは10元から20元と日本より少し安め。わたしはコーヒーを飲むと寝付けないので、お茶とマンゴープリンを注文。出てきたお茶は赤紫色でなんだか不気味だった。なんだったんだろう。しかもおっきいマグカップで出てくるし。でも上海のスタバにはドアボーイがいるのにはびっくりした。

テレビ

新天地から朝地下鉄を降りた、黄陂南路駅をめざしてそこから地下鉄でホテルに戻る。
ホテルに戻ってから、みんなで明日の計画を立てた。明日は襄陽路服飾市場(シャンヤンシーシャン)にいって人民公園にゆきバンドを見て東方明珠塔(ドンファンミンジューター)に登り夜景をみて、今日入れなかった新吉子に予約を入れて上海蟹を食べることにした。
帰ってから部屋でテレビをつけていると昨日もやっていたドラマの続きが今日もやっていた。日本でいう一昔前のトレンディードラマって感じ。でも照明の当て方がなんだかわざとらしい。主人公の女の子は一人だけ茶髪でそんなOLいないだろう、ってかんじだった。今日が今日だったから天気予報を見たかったのだけれど、日本人ほど中国人は天気を気にしないらしく、ニュースのあとには天気予報は放送されない。安っぽいトレンディードラマのあとに天気予報が流れていた。明日はどうやら曇りらしい。

ホテル朝食

バイキングの朝食。洋食だけではなく、チャーハンやおかゆなんかもおいてあった。

地下鉄マーク

METROの "M" の文字をデザインした地下鉄のマーク。地下鉄に乗るときはこれを目指せばいいはず。

券売機

先にボタンを押してからお金を入れる券売機。お札で買うときは隣の窓口で買う。単券 (2元) と複券 (3元) がある。切符はテレホンカードのようなもので、再利用されているからかちょっと古ぼけている。

自動改札

遊園地の入口のような自動改札。通した切符を取ってからでないと、レバーが回らない。

ポンチョ

雨の日でもポンチョをかぶって自転車で行動する上海の人々。赤、黄色、青とカラフルなポンチョがかわいい。ちなみに自転車用に乗ってもハンドルを握っている手が濡れないように前が少し長くなっている。バイク用は前の長くなっている部分が一部ライトの光を通すようにビニールになっている。

Photo by HIDEKI

豫園商場

清時代の街並みが再現された豫園商場。中国っぽい。

額縁効果

なんのかたち?

Photo by HIDEKI

中国茶

中国茶の試飲。10種類の中国茶から好きなものが飲める。花粉症に効くという甜茶も飲んだけど、甘かった。好き嫌いがあるかも。

十二支

柵の手すりも十二支だったりする。細部までこだわってつくってある。

点心

昼食、緑波廊酒楼での点心。でも、点心を食べるはずだったのに2つくらいしか頼まなかった。ティータイムの10種類で10元のセットの方がいろいろな種類が食べられていいかもしれない。

ハンコ

かほと二人で買いすぎてスカスカになったハンコ屋さんの棚。いろいろな種類の石から選んでその場で彫ってもらえる。文字の複雑さにもよるけど、1本5分あればその場で彫ってもらえる。

公衆トイレ

街の至る所に公衆トイレがある。しかし有料。だいたい6角〜2元といったところ。観光地の方がやっぱり高い。

東台路

東台路古玩市場。雨だったのと日没前後だったために人が少なく、閉店の準備をしている店も多々あり。骨董市だけあって値段の付け具合は高め。

夜上海・夕食

夕飯、新天地の夜上海での食事。かなり高級店だった。赤い照明がノスタルジックでもあり、居心地が悪くもある。

スタバ

新天地のスタバ。スタバはいろんなところにあったけど、ここのスタバはドアボーイがいてびっくり。そして店内撮影禁止だった。

電飾

淮海路のイルミネーション。クリスマスが近かったからか、どこに行っても電飾で飾り付けしてあった。

電飾

泊まっていたホテル・上海富豪東亞酒店の玄関のイルミネーション。上海人はナイヤガラの滝のような電飾が好みらしい。至る所で見かけた。