比較考察

せんだいメディアテーク、宮城県図書館とも図書館や情報施設、ギャラリー、オープンスペースなど持っている各要素は同じなのに、まとまって出てきたものにはものすごく違いがある。対照的であるといって良い。
まずは立地。宮城県図書館は仙台市の端、かなりの郊外に建っており周りを緑に囲まれている。それに対してせんだいメディアテーク仙台の中心街にそびえ立っている。
外観についても違いは顕著である。宮城図書館はメタリックな宇宙船を思わせる円筒形の筒状の物体が外界とを断絶するように横に伸びている。それに対してせんだいメディアテークは全面ガラス張り。各階異なる照明の光が外に漏れてきて、あたかも施設内のエネルギーを外に放出しているようだった。
図書館部分の内観についても比べても、宮城県図書館は落ち着いて読書のできるどちらかというと閉鎖的で、要所要所に光が差しそれが強調されているつくりになっている。一方、メディアテークは全体が明るくフロアーの見通しもとてもよい。全面道路に対してガラスで接しているので外との接点が多い。
何もかもが対照的表情を持った施設であった。せんだいメディアテークを活動的と評するなら、宮城県図書館はさしつめ内向的といったところであろうか。せんだいメディアテークを見に行くなら、是非宮城県図書館にも足を向けてほしい。宮城県図書館を訪れてからメディアテークに行くと、単体で訪れるよりメディアテークが、情報を集め外に発信することを目指して建設された建築物であることが実感できると思う。自画自賛になるが、宮城県図書館、メディアテークと訪れたわたしはなかなかよい選択をしたのではないかと思う。