4日目 — 2008.8.2

クアラテンベリン行きのバス

今日はタマンヌガラへの移動日。毎日移動ばかりしている気がするけれど。 6時半に起きて朝食。さすがにこの旅一番ランクの高いホテルだけあって、朝食も豪華だ。そして、朝食後テラスを散歩したけれど、きれいだった。7時半過ぎにチェックアウト。チェックアウトの時も日本人スタッフの方が対応してくれた。その方にクアラテンベリン行きのツアーバスが出る場所を聞いておいたので、そのとおり移動すると、あのバス乗り場の風景が! 興奮してシャッターを切る。そしてわたしも写真に収まってみる。
ちょうどバスが止まっていたので、これがクアラテンベリン行きかと思って訊いてみたけれど、マラッカ行きだという。う〜ん。募る不安。往復送迎つきの宿泊プランに申し込んだものの、どこに何時にいけばいいのかという指示のメールが来なかったんだよね。ムティアラタマンヌガラのページには確か8時15分にホテルイスタナ、8時半にクラウンプラザでピックアップと書いてあった覚えがあったけれど、それらしきバスは一向に現れない。(これはわたしの覚え違いで、実際はホテルイスタナに8時半、クランプラザに8時45分です。)このバスを乗り逃したら、タマンヌガラにいくのは難しくなるので、どうしても乗っておきたかったわたしは、K氏に8時10分を過ぎてもバスがやってこなかったら、交差点を渡った向こうのクランプラザに行こうと提案。ホテルイスタナからバスに乗ることに固執していたのはわたしだけだったのでK氏はそれでいいよ、という。
8時10分を過ぎてもバスは来ず、スーツケースを転がして交差点向こうのクラウンプラザを目指す。クラウンプラザまでは遠くはないのだけれど、歩道と車道の段差や信号待ち時間が長くてちょっと間に合うか心配になりながら急ぐ。クラウンプラザの入口にいたベルボーイにバス乗り場を聞こうとすると、わたしが何も言葉を発するより先に、タマンヌガラ? といって、1つ下の階で人がいっぱい待ってるからわかるよ、って教えてくれる。エレベーターで1階降りて外に出るとかなりの人がいた。でも、この人たちがタマンヌガラにいく人たちかわからないので、そのうちのひとりにタマンヌガラ行きのバスを待っているのかと訊いてみたら、Yesと答えが返ってきて一安心。

予約が入っていない

8時半を過ぎてようやくバスが登場。「ジャングルリベンジ」のバスと同じだ。受付の女の人に名前を言ってから乗り込む。わたしの番になった。名前を言うも名簿に載ってないっていわれる。予約はしたのか、といわれたので、ホテル予約時に送られてきたメールを見せる。困ったような表情をして、乗せてはくれるようだが、ちっちゃいバスが来るからちょっと待ってて、っていわれる。どうやら、今日はすごく人が多くて、バス1台では収まりきらないらしい。
そして、案内されたのはワンボックスカー。4人組の欧米人と一人旅のブラジル人、そしてわたしたちの計7人で結構ぎゅうぎゅう。まあ、わたしたちは計算に入ってなかったからしょうがないか。ワゴンはバスより一足先に出発し、ものすごいスピードで高速を飛ばす。そんな中、K氏はまたも爆睡。途中のサービスエリアで1階休憩があった。水曜どうでしょうの「マレーシア・ジャングル探検」で大泉さんがトイレに行ってて乗り遅れそうになったどこかの町とは明らかに違う。高速ができてルートが変わったのだろう。あの街にいってみたかったなぁ。
休憩を境に一人旅をしているブラジル人が堰を切ったように話はじめる。初めはドライバーに話し掛けていて次は後ろに座っている4人組、そしてわたしたち、とさながら乗合バスのようだった。ブラジル人がビスケットを勧め、欧米人もチョコをくれた。でもわたしたちはお菓子の持ち合わせがなく、お返しできなかった。(キャラメルを成田で買ってバックに入っていることはすっかり忘れていた。)

クアラテンベリン到着

クアラテンベリンへはなんと11時半前に到着。2時間かかってない。飛ばしてたとは思ったけれどすごい速さ。ここで、泊まるホテルの事務所にて書類を書いて公園事務所にて入園料とカメラ代持ち込み料を払う。欧米人のうち1人がどこに泊まるの? って訊いてきた。Rainforest Resortだというと、自分たちはNusa Holiday Village だという。なんとなく不安そう。でもそこはMUTIARA TAMAN NEGARAと同じで、タマンヌガラ公園内にある施設だからわたしたちより安心だよ、と思う。
一連の手続きを済ませて、レストランで食事後、ベンチに座ってボートの出発時間だという14時を待つ。しかし、ここは風の通りが悪く暑い。せっかく持ってきた扇子をトランクに入れてしまったのを後悔したけど遅かった。そしてこれからの行程に備えて、13時に1度有料トイレに行った。
ちなみに、Rainforest Resortの受付をしてくれた女の子はかわいかった。船着場でも人気らしく、わたしたちが手続きをしている最中も、ちょっかいを出しにやってきた輩もいた。K氏曰く、あのかわいらしさは世界共通だ。仕草がかわいいのだという。

いよいよ乗船

14時、水曜どうでしょうの中で出てきたのと何一つ変わらない木のボートで川を遡る。ここでもMUTIARA TAMAN NEGARA優先で一番初めに乗船。結局我々対岸のリゾート組は後回し。最後から2番目のボートに乗船。ボートに乗れたのは14時半を回っていた。
乾季だからか川の水の量が少なく、流れる景色の目線も低い。そして水量が少ないということで、浅瀬に乗り上げないようにボートは深いところを選んでかなり蛇行して走る。途中バランスが悪かったのか、荷物の積み方を替えたり、巨漢の男性の座る位置を変更したり、とかなり大変そうだった。おかげでわたしのトランクは一番上に不安定に積まれ落ちるんじゃないかと気が気じゃなかった。かなりの日差しで喉が渇くのでミネラルウォーターを半分空けた。後の惨事のことなどこの時は知るよしもなかった。
途中、エンジンを止めた。故障か? と乗っている全員が思ったに違いない。しかし後ろのボートが来るとまたエンジンをかけて走り出した。お互いのボートの写真を撮らせてくれるサービスなのかなぁ。でもおかげで、後ろから2番目だった順番はいつのまにか逆転し、一番最後になってしまった。
ボートに乗ってから30分、出発前にもう一度トイレに行っておけばよかったと思った。そして、1時間後には確かな尿意へと変わった。しかし、こんな密林に囲まれた川沿いにトイレなんかあるわけもないし、もちろんトイレ休憩なんてない。まあ、ワニのいる川を3時間、っていっていたけれど、2時間ちょっとで着くんじゃないかと思っていたわたしは甘かった。乗船して2時間を過ぎてもジャングルが延々と続く。ここでK氏にトイレにいきたいことを打ち明けるが、状況が改善されるわけでもない。膀胱を刺激しないように体育座りは止めて体勢を崩してみたりする。何か人工建造物が見えるたびにそろそろじゃないか、と期待したけれど全く着く様子はない。そんな中、K氏はきっとあのカーブを曲がったらタマンヌガラだって、と励ましてはくれるものの、カーブを曲がってもそれらしきものがなかったときの落胆といったら。

クアラタハンに到着

そして、左岸に船着き場らしき階段を現れる。ここはグアテリンガにいったときの階段じゃないか、思ってしばらくしたら、遠くに水に浮かんでいる建物を発見! おおクアラタハンだ! そして左岸の上の方にはTAMAN NEGARAの看板が! やっと着いた。わたしの膀胱は既に満タン。限界だ。早く岸に上がりたい。K氏が荷物は受け取っておくから、といってくれたので、一番にボートを下りてフローティングレストランに立ったものの、トイレらしきものは見あたらない。膀胱が悲鳴を上げて呆然と立ちつくすわたしに、K氏がそこの人に聞きなよ、ってアドバイスをくれた。近づいていくとその女性はどこかにいってしまった。ああ。しょうがないので厨房の方へ行き中の人にトイレの場所を聞く。今回は通じた。指であっち、と差してくれた。
板切れの橋を渡り丸い石がごろごろした河原を歩いてみるがトイレらしきところはない。人に訊こうにも人がいない。間違えたかな、と思い元のフローティングレストランに戻ってくるが、尿意が止まるわけもなく。高台の上から人が降りてくるのが見えて、もしかしたらあっちかも、と急な小道を上がってみるけれど、安宿があるだけだった。宿でトイレを借りるか? とも思ったけれど、もうそんな交渉をしている余裕はなかった。ふと脇を見ると、朽ちた柱と梁だけの小屋が。そしてその先に草むらが広がっており、コケッコーっと放たれていた鶏が鳴いた。鶏の鳴き声に吸い寄せられるように、梁をくぐって草むらへ。見上げるとホステルの窓があったが、しゃがめば草に隠れて見えない。わたしは覚悟を決めた。

コケッコー

事なきを得て半ば放心状態で来た道を戻ってK氏の元へ。「どうだった?」と訊くK氏に「聞かないで」とわたし。フローティングレストランと思っていた場所はLBKというツアー会社の事務所で、対岸のリゾート組は最後の1組が来るまでここで待たなければならないらしい。最後のボート、つまりわたしたちが到着してから英語で説明があったらしい。K氏曰く、なんか公園の予約は公園じゃないとできなくてそっちにいけって、それ以外はここで予約できるみたいだよ、という。しばらく放心状態で座っていたわたしだが、ようやく頭がはたらきだした。わたしたちのアクティビティはブンブンありきだ。まず公園事務所でブンブンの予約をするのが先。そして、ここに集められたということはツアー会社がホテルにマージンを払うか何かして顧客の囲い込みをしているに違いない、と思った。そしてK氏に簡単に説明していこう、といった。

リゾートまでの遠い道のり

Rainforest Resortまでが遠かった。まずトランクで来たので、河原のごつごつしたところを荷物を持って歩かなければならない。しかも、ボートから降ろされたLBKはクアラタハンのフローティングレストラン群の一番端っこ。河原から上がる階段までが遠い。K氏がトランクを持ってくれるといったが、いけるところまでいく、とわたし。しかし30mももたなかった。2つのトランクを持って辛そうなK氏にここを上がってみようよ、と提案。一応階段で上がると学校の横の道に出た。LBKでもらった地図を頼りに歩く。でも途中舗装されていない道で、トランクを持ち上げて歩かなければならず、かなり辛かった。そして何よりわたしをがっかりさせたのは、場所がわらかないからと宿泊をやめたWOODLAND RESORTの方が手前にあったことだ。しかもおいしそうなにおいがしてくる。ゴロゴロとスーツケースを転がしていると、横をワゴンが通り抜けていく。もしかしたら、Rainforest Resortも送迎の車があったのかもしれない。メインのところから上がらなかったからわからなかった。ここまで来たら歩くしかない。Webサイトには200mと書いてあったけれど、絶対違うだろう、って思いなっがら。ようやくリゾートの敷地の端に辿り着いたけれど、レセプションまでがまた遠い。レセプションに辿り着いたときは汗だく、くたくた。

ひとり反省会

レセプションで行きのバスの予約が入ってなかったことにクレームをつけようと思ったがそんな元気はなかった。部屋の鍵とバスタオルを受け取って部屋へ。部屋はこぎれいな感じ。床はマレーシア流でタイルだ。サンダル持ってきてよかった。
コケッコー事件で精神的に、ホテルまでの道のりで肉体的にやられたわたしはすべてがマイナス思考。
まず7月のはじめにMUTIARA TAMAN NEGARAに空室があったときにどうして宿を変えなかったのか。変えていれば、こんなに歩かないで宿に着けたのに。そしてもう6時を回っている。対岸のMUTIARA TAMAN NEGARA内にある公園事務所は確か6時までだった。ブンブンの予約が今日できないじゃないか。MUTIARA TAMAN NEGARAに泊まっていれば、もうブンブンも予約できていたはずだ。
そんなことをぶつぶつ繰り返すわたし。隣のチャイニーズの部屋から聞こえてくるテレビの音でさらにイライラは増幅される。K氏はシャワー浴びたら、っていうけれど、あとにする、といって部屋の隅っこの籐の椅子に座って今日のことを振り返るわたしを見て、あさこんはいつも部屋の隅で反省会を開く、という。
シャワーを先に浴びたK氏はマイナス思考のわたしに昨日買ったパンを勧める。いらない、といったけれど、お腹が減ったから食べようとしつこくK氏は勧めてくる。パンを見ていたらおいしそうに見えたので少し食べることにした。人間というのは結構単純なもので、お腹が満たされたら、少し元気が出てきた。
そうだよ、明日朝一で公園事務所に行ってブンブンの予約をすればいい。明日の予定はキャノピー・ウォークウエイにいくことなっているのだから。
さっきより少し元気を取り戻したわたしに、シャワーを浴びたらスッキリするよ、というK氏だが、ひとり反省会を長時間開催していたので、もう8時だ。なんとなく8時が食料の確保の明暗をわけるような気がしたわたしは、先にご飯を食べて水を手に入れよう、と提案。

夕飯

夕飯はレセプション横のカフェみたいなところにした。もうあの道を戻って川辺のフローティングレストランまで行く気はしなかった。わたしは麺の炒め物を、K氏はナシゴレンを頼んだ。わたしは辛くないのを頼んだからか、なんだかおいしくなかったが、辛いのを頼んだK氏のナシゴレンはおいしかったようだ。混んでいたのか注文が出てくるのが時間がかかった。そして併設されているミニショップの閉店時間9時が迫ってきた。水を確保しなければなかなかったのだ。K氏に会計を頼み、ショップに飛び込みギリギリで1.5lの水を2本ゲット。
わたしが立てた当初の計画では今夜、ナイトサファリに参加するはずだったが、疲れているのでパスだ。というか、申し込み方がわからないし。早く寝て明日に備えることとした。

朝食ビュッフェ

この度一番豪華な朝食。

車寄せ

クアラテンベリンゆきバスの出発地点。ついにこの場所に来ました!

クランプラザ

移動したクラウンプラザの車寄せでバスを待つ人達。ハイシーズンだからすごい人だった。

バス登場

「ジャングルリベンジ」でも登場したバス登場。

ワゴン

でもわたしたちが乗ったのはこっちのワゴン。7人乗ってかなりぎゅうぎゅう。

休憩

普通のサービスエリアで休憩。どこかの街ではなかったのが残念。

看板

高速から降りてタマンヌガラへの一般道へ。

タマンヌガラへの道

タマンヌガラへの道。バスのサイドミラーが落ちた辺りでしょうか? テンションが高くなります。

iPhone

ブラジル人が持ってたiPhone。なんでもタイでトラを見てきたらしい。トラを見に来たのに先に写真でトラを見てしまうわたしたち。

クアラテンベリン

クアラテンベリンのボート乗り場。とうとうここまでやってきたって感じです。

公園事務所

クアラテンベリンの公園事務所。ここで公園入場料とカメラ持ち込み料を払います。

昼食

チキンライスを頼んだのだけれど、揚げたチキンが出てきた。

トイレ

クアラテンベリンの有料トイレRM0.3。西洋人は洋式のトイレに列を作っていました。

ボート

変わらぬ木製ボート。これで3時間。おしりが痛くなりました。

ジャングル

藻南公園。by 大泉洋

マラコ

イタリア人らしきひとのタトゥー。カタカナで「マラコ」ってマジックで書いたような字。もっといい書体にすればいいのに。

ボートで3時間

ボートでテンベリン川を遡ります。

TAMAN NEGARA

やっと見えた「TAMAN NEGARA」の看板。

夕食

麺料理。ノン・スパイシーにしたらおいしくなかった。