3日目 — 2008.8.1

マレー鉄道でクアラルンプールへ移動

今日は移動日。マレー鉄道でシンガポールからクアラルンプールまで移動します。昨晩、夜行列車を使って移動して、今日クアラルンプール観光を楽しむというプランも思いつきましたが、昼間の列車に乗って景色を堪能することにしました。というか「ジャングルリベンジ」でどうでしょう班の4人が昼間のマレー鉄道に乗って移動していたというのが大きいんだけれど。
さて、このマレー鉄道、正式にはKTMといいます。一般にマレー鉄道というとシンガポールからマレーシアを縦断してタイのバンコクまで行くのを想像しますが、線路はつながっていますが、KTMとタイ国鉄に経営は分かれます。でもシンガポールとマレーシアは昔は同じ国だったこともあって、シンガポール内の線路と駅舎はKTM所有のようです。
あと特徴的なのはあべこべな出入国検査。その昔はシンガポール駅でシンガポール出国とマレーシア入国の2つの手続きを行っていたのですが、1998年から、マレーシア側と折り合いがつかず、マレーシア入国は従来どおりシンガポール駅にて、シンガポール出国はウッドランドチェックポイントにて行われるようになったのです。だから、マレーシア入国はシンガポールを出国する前に入国検査があるため、入国スタンプをパスポートに押してもらえません。出国の際、提示を求められることもあるからKTMのチケットは保管しておくようにとガイドブックをはじめいろいろなところで書かれています。
さて、わたしたちが乗るEKSPRES RAKYAT(EK-2)は7時40分にシンガポール駅を発車します。しかし、上記のように入国手続きもあるので、7時にシンガポール駅に来るようにと、インターネットで購入したeチケットには書かれていました。

シンガポール駅へ

朝食付きのホテルだけれど、朝食は7時からだったので、今日は朝ご飯は何か買って列車の中で食べることにした。朝6時に起きて支度。6時半にチェックアウト。ホテル前のタクシースタンドには待ちタクシーなし。困った、と思っていたら、タクシーがやってきた。「Singapore Station」というもののまた通じず。なんで? と思いつつ、他のいい方も思いつかず、「Singapore Station」とバカの一つ覚えのように繰り返す。「Train?」と訊かれたので「Yes」って答えたらわかってくれたみたい。KTMっていったほうがわかってくれたのかなぁ。
とにかく薄暗い中をタクシーはシンガポール駅を目指して走り出してくれた。くねくねと道を回ってシンガポール駅へ到着。お金を払ってタクシーを降りたけれど、つい日本の癖でドアを閉めるのを忘れてタクシーのおじさんに怒られる。
また夜が明けきっていないシンガポール駅には既に結構な人が。そしてほぼ全員旅人。なんでって、シンガポール→クアラルンプールはS$68、クアラルンプール→シンガポールはRM68。2008年8月現在、S$1は約79円、RM1は34円。つまりシンガポール駅から乗車するとシンガポールドル建てで倍するのだ。だから節約したい人は国境をバスなどで自力で越えて次のジョホールバルから乗るとマレーシアリンギット建てで乗車することができるから安くつく。

シンガポール駅にて

シンガポール駅に入ると真っ先にKTMの職員の人が出入国カードを配ってくれた。あれ? 確か今年の1月からマレーシアの出入国カードは廃止されたんじゃ? と思いつつ、ベンチに座って必要事項を記入。そして、K氏に荷物番をさせて朝ご飯を買いに行く。どうせなら、と「ジャングルリベンジ」で大泉さんが食べていた麺がいいな、と思って探したけれど、麺はミーゴレンしかなく、なんか違うなと思いつつ購入。1つはチリ入り1つはチリなしにした。
朝ご飯を無事に購入して、ベンチに戻ってから、昼ご飯のことを考え出した。車内食堂で食べようと思っていたけれど、確か車内はマレーシアリンギットしか利用できなかったはず。少し両替しておかなければ。駅構内の両替所で5千円だけ両替した。RM133.1。レート悪い。車内で食べる分だけなら、1000円だけ両替すればよかった。
チケットを見せて入場。昔、シンガポール出国手続きの場所であったらしき小屋を過ぎてマレーシア入国手続きへ。パスポートを読み取ったあと、出入国カードにスタンプを押して切り離さずに渡してくれる。つまり、パスポートにスタンプが押せないから、代わりに出入国カードに押してくれたのだ。ということは、この出入国カードは出国までちゃんと持っておかないと。

クアラルンプールへ走り出す

座席はPremier Class(1等車)だったからか、N車両、1番前の車両だった。マレー鉄道はかなり長いのでホームを歩くのが大変。せっかく一番前の車両だからと、先頭の機関車の写真を撮りに行く。出発時刻の7時40分近かったので、出発しちゃわないかちょっとドキドキしたけれど。
5分ほど遅れて出発。買ったミーゴレンを食べたかったけれど、ウッドランドチェックポイントでシンガポールの出国検査を受けるのを知っていたわたしは、すぐ食べないほうがいいんじゃない、とK氏にいってじっと我慢。そしてシンガポール内をのろのろ走ること25分経過。もう我慢の限界で2人ミーゴレンを食べ始めた。2口ほど食べたところで、放送が入った。ウッドランドチェックポイントに着いたのだ。こんなことなら早く食べればよかった。食べかけのミーゴレンをしまって。手荷物を持って外へ出た。1等車だったからか、出国審査位置口が目の前だった。ほとんど並ばずに出国できたが、検査は厳しくて指紋と顔写真まで取られた。
コーズウェイを渡ってジョホールバル。やっぱりマレーシアの色。建物の色が変わった。列車はジャングルの中を時折民家のそばを通りすぎながら進む。K氏はここでも爆睡。わたしはちょっとうとうとしたくらい。

昼ご飯を食堂車で

12時過ぎ、お腹が空いたので何か食べに食堂車へ行った。もうほとんど売り切れでチャイニーズチキンライスしか選べなかった。売り子の兄ちゃんが「エイティリンギット」っていうからかなり高いなって思いながら、RM80を出すと笑いながら、RM10札を引き抜いていった。どうやら「エイトリンギット」だったらしい。そこであはははって笑って、食堂車の席に座って食べ始めてから気がついた。おつりRM2もらってない。くぅ〜。まあ、RM80を取られなかっただけよかったことにしよう。でもくやしい。
座席に戻って、この旅での今までのわたしの所業を見てK氏がいう。よく1人で旅してたね。というか1人で旅に行こうって思ったよね、と。おっしゃる通りだ。でもなんとかなってるから、いいんだよ。あと、1人だったらもう少し強気よ、と心の中で思ったけれど、まあ、いいっか。

クアラルンプール到着

クアラルンプールのひとつ手前のスレンバンから日本人の親子が乗車してきた。その親子、まずKTMの列車設備にご不満らしく、これで1等車? と文句をいってた。そして、奥さんが旦那さんのことを「パパ」と呼ぶ。旦那さんのサングラスもなんだか1990年代を思わせる形。極めつけは、娘の服装。Tシャツの布地が背中でねじってあるデザインの服を着ていて、背中丸出し、ブラのホックも丸見え。日本でもその服装は有り得ないよ。しかもここマレーシアはイスラムの国で女性が肌を露出することを好ましくないと思われているお国。同乗していたスカーフの地元のご婦人は彼女の奇抜な服装を見て、目を丸くして固まっていたよ。観光に来るのはいいけれど、せめてその国の最低限の情報は得ておこうよ。同じ日本人としてすごく恥ずかしかった。
そんな時代錯誤の勘違いバブリー家族も乗せて、列車は50分ほど遅れてKLセントラルに到着。ここからモノレールに乗ってホテルイスタナ近くのラジャ・チュランまでいくのだけれど、その前に両替をせねば。KLセントラル内をうろついて案内板を見て両替所をやっと発見。ここでちょっと多めに10万円を両替。なぜならタマンヌガラは日本円の両替が不可だからだ。カードも使いたくないし。RM3000が手元にくる。以前マレーシアに来たときよりレートが悪い。K氏もおこづかい程度に1万円を両替。
モノレールは空港行き列車のKLIA側の出口を出て商店街みたいなところを抜けて道路を渡ったところにある。ちょっと遠い。そして、2人でRM4.2の切符をRM50で買おうとしたらもっと小さいのはないのか、っていわれる。早くRM100札とかを細かいお金にしておきたかったんだけれど、その目論見は砕かれる。モノレールに乗ってラジャ・チュランへ。ホテルイスタナはモノレールの駅を降りて交差点の向こうだからちょっとだけ歩く。

ホテルイスタナ

日本から予約したことをフロントにいい、ネットのの予約表をプリントアウトしたものを見せる。するとなんだかか手続きにもたもたしている。おかしいな、と思いながら待っていると、そこへ日本人スタッフの方が現れて、一声かけてくださってから、フロントの中に入って何やらごそごそ。ここで予約時に入力したクレジットカードの提示を求められる。直接予約だからなのかと提示すると、スキャンされてキャッシュで払う場合は後から取り消しますから、って説明された。マレーシアでクレジットカードは使いたくなかったので、スキャンされたのもちょっと予定外だった。
日本人スタッフの方が直々に案内してくださって、部屋は20階だった。なんか雰囲気が豪華。ラウンジまである。もしかしてアップグレードしちゃったのかな? って思って案内された部屋にびっくりさ。なんとスウィート仕様のお部屋でベッドルームとリビングが分かれている。バスルームも広い。そしてトイレが2つある! 今までホテルなんて安宿で十分だって思っていたけれど、ここまでグレードが上がるとこういうのもいいかもって思ってしまう。1泊じゃもったいない! どうやら予約したグレードのお部屋は満室なので、アップグレードしてくれたのだ。ホテルイスタナでどうでしょう班が宿泊した926号室に泊まるという目的は果たせなかったけれど、それに余りある充実感。それに926号室に泊まれたとしても、ホテルイスタナは2006年に内装を一新しているから、大泉さんが騙されたあの部屋のままではないのだ。
この日もクアラルンプールをどこか観光しようという予定になっていたのだけれど、豪華なホテルの部屋でゆっくりするのもいいんじゃない? っていうことになって、ネットをしたい、マンゴーを食べたいというK氏の要望と夕食を食べにブキッ・ビンタンへ散歩に行くことにした。

ネットカフェ

以前わたしが利用したネットカフェはBBプラザ内の店だったのだけれど、わかりにくかったし建物に入ってから辿り着くまでが結構大変だったので、交差点付近の日本語ができると書いてあるネットカフェに入ってみることにした。階段を上っていくもなんだか怪しい感じが漂ってきた。やめようか、という話になったけれど、チャレンジすることにした。ドアを開けた10畳ほどの部屋にパソコンが10台くらい並んでいて既に満席に近い。日本語を使いたいというと受付の感じのいいお兄ちゃんが日本語の使えるパソコンに案内してくれた。今やskypeは標準らしくウェブカメラまで装備されていた。
K氏はメールチェックなどを行い、わたしはホテルイスタナで部屋がアップグレードされちゃったことに興奮してそのことをblogに書こうとしたが、なぜだか管理画面にログインできない。そういえば、blogをWordPressに移行してからIEで動作確認していなかったことを思い出す。そして今自分たちが泊まっているホテルイスタナの部屋の値段が気になって調べてみて目玉が飛び出たよ。どうやらアップグレードした部屋はClub Suiteで予約していたSuperior Roomの軽く2倍だった。

KFCで夕食

以前マレーシアで食べたKFCのおいしさが忘れられず、夕食はKFCで食べることにした。しかし、メニューが多すぎて前回わたしが食べたのがどれに当たるのかわからない。前回は大勢でいったから適当にMくんが頼んでくれてその中から好きなのを食べたのだ。いろいろ迷ったけれど、結局セットメニューにする。もも肉、骨付き、胸肉のセットだったのだけれど、わたしは一番初めに胸肉を食べてなんか記憶の中の味と違うってがっかりしてたら、もも肉を食べて前回来たときはこれしか食べてなかったことに気がついた。
そして、アロー通の端の屋台でフルーツを見たけれどマンゴーの見かけはいまいちで、Lot10の地下のISETANのスーパーへ行く。マンゴーを2つ買って、水を買おうとしたけれど、コンビニの方が安いんじゃないというわたしの意見で買わなかったら、帰りのセブンイレブンで購入したセブンイレブン・オリジナル水は高い上にまずかった。あとは明日朝食を食べれなかったときのことを考慮してパンを購入。

バスタブに湯を!

明日からはジャングルなので優雅にイスタナで過ごそうと部屋に戻ってくるも、カードキーで部屋が開かない。廊下ですれ違って挨拶をしてくれた係りの人がやってきてやり方を教えてくれて無事に部屋に入れた。汚い格好していた2人がこのフロアを歩いていること自体不審に思ったのだろうか? とちょっと怪しんでいた感じ。だけれど、韓国人か? と訊かれ、日本人だ、とK氏が答えると納得したよう。
明日からの宿にはバスタブがないので、バスタブにお湯を入れてゆっくり浸かろうってことになったのだけれど、お湯がでない。シャワーの方は何とか出たのだけれど、バスタブの蛇口をいくらひねっても出ない。K氏がフロントに電話。日本人スタッフの方を呼んでもらってお湯が出ないことを説明した。30分くらいたって、誰かきたのでドアを開けるとウェルカムフルーツを持ったボーイさんだった。誰でもいいからこの状況を説明せねばと思い、旅の英会話集に書いてあった「お湯が出ません」っていう例文を言ったけれどまたも通じず、しょうがないのでバスタブのお湯だけでないと実践してみせた。そして、ボーイさんが部屋から連絡を入れてくれて、係りの人が到着したけれど、どうも根本からダメなようで、部屋を移るか、っていわれた。K氏と顔を見合わせる。もうかなりくつろいでしまっていて、荷物をまとめるのが面倒。そして新しい部屋が用意されるのに時間がかかったら、寝るのが遅くなってしまう。まあ、シャワーがあるからいいか、と断ったけれど、ルームチェンジするかと3回くらい聞いてくれた。普通だったらルームチェンジするんだろうけれど、アップグレードしてくれたからという引け目がある。そして、ランクの低い部屋に変えられたら? という打算と、もし今泊まっているグレードの部屋も満室だった場合、もっと上のランクの部屋になってしまったらどうしよう、っていう気持ちがわたしにはあったから。
係りの人が帰ったあと、それでもバスタブにお湯を入れたかったわたしは(だったらルームチェンジすればいいのに)、シャワーブースからシャワーヘッドを引っ張ってきて、これで入れれば入るんじゃない? ってK氏にいう。K氏はそれじゃあ、固定しようって洗濯用ロープやら結束バンド(何に使うつもりだったのだ?)なんかを取り出してきて、いろいろ試みてみるも、シャワーヘッドが重くて下を向いてしまって、バスタブの方を向いてくれない。結局30分以上試行錯誤したものの、手で持っているという原始的な方法でバスタブにお湯を張った。満足じゃ。

シンガポール駅

マレーシア鉄道のシンガポール駅。タクシーで続々と旅人たちが到着。

KTM改札

プラットフォーム入り口の改札。チケットをチェックされた。

食堂

プラットホーム横の食堂。ここで大泉さんはあの麺料理のテイクアウトをしたのかも?

イミグレーション

列車に乗る前のマレーシアのイミグレーション。シンガポールを出国する前にマレーシア入国してしまう。

機関車

KTM(マレーシア鉄道)の機関車。これが全16両を引っ張ります。

高級住宅地

シンガポールの高級住宅地をとろとろ走る。

ミーゴレン

朝ご飯代わりに買ったミーゴレン。チリソースが辛かった!

ウッドランド・トレイン・チェックポイント

ウッドランド・トレイン・チェックポイント。ここでやっとシンガポールの出国検査があります。かわいい女の人が手続きしてくれましたが、結構厳しかったです。

コーズウェイ

マレーシア鉄道でシンガポールとマレーシアの国境の海を埋め立てたコーズウェイを渡ります。太い2本のパイプは水道管。シンガポールはマレーシアから水を買っています。

ジョホールバル

駅舎を建て直していました。もしかしたら、マレーシア入国検査もここに移るのかなぁ。

ジャングル

ジャングルの中を疾走。時折、村や町を通り過ぎます。

Premier Class

KTM(マレーシア鉄道)のPremier Class。つまり1等車。

昼ご飯

お昼ごはんのチャイナチキンフライドライス。

遠くにペトロナスツインタワー

遠くにペトロナスツインタワーが見えてきました。もうすぐクアラルンプール。7時40分発で着いたら14時50分。約7時間。優雅というか長いです。

モノレール

モノレールで移動中。

ホテルイスタナ車寄せ

ホテルイスタナの車寄せ。見覚えあるでしょう。

看板

ブキッ・ビンタンの交差点にあった看板。アロンソとピケJr.。

KFCで夕食

KFCのセットメニュー。2人でRM24.15して結構高かった。

マンゴー

マンゴー。ナイフを持参しなかったのでカッターで切ったら、ちょっと金属の味がして惜しいことをした。

夜景

ホテルイスタナ20階からの夜景。