12日目 — 2006.1.7

冷房列車

このKTMの夜行列車ランカウイ・エクスプレスはめちゃめちゃ寒かった。これでもかっていうくらい冷房が効いているのにその上扇風機まで回っている。ご婦人も横になったからわたしも寝たんだけど寝れたもんじゃない。途中で扇風機の電源はコンセントから抜いてやった。それでもクアラ・カンサーの一つ手前のイポーの駅で長時間停車しているときにご婦人としゃべっていたら、冷房の吹き出し口があって寒かったといっていた。上段の切符とらなくてよかった。クアラ・カンサーに到着したのは午前2時頃。ご婦人と握手してお別れ。何があったのかよくわからないけど、ごきげんよう。
そして、ここからは1人なので、個室にカギをかけ電気を消して耳栓をしてマジ寝に入った。

アロースターに到着

次に気がついたのは「アロー、アロー、アロー」と大きな声で呼んでいる声、なんだろう。時計を見たけど7時前だったので無視して寝る。次に気づいたら8時。定刻では8時15分にはアロースターに着いているはず。車内放送を聞くと次はスンガイ・ペタニという駅にらしい。時刻表で確認するとちょうど50分遅れ。だとするとアロースター到着は9時過ぎ。そろそろ身支度を始めなくては。
1等個室には洗面台が付いており、石けんもある。顔を洗って、化粧して身支度完了。荷物の整理もして後はアロースターに付くのを待つのみ。予想より遅れて9時25分アロースターの駅に到着。駅は人がいっぱいでタクシーに乗らないかとかいろいろいわれるけれど無視。駅員さんに荷物を預かってもらえるか訊くと、執務室横の倉庫みたいなところで預かってくれるらしい。RM2。安い。

ザイール・モスク

身軽になってアロースター観光開始。わたしが見たかったのは、ザイール・モスク。昨日からモスクばっかり見てるじゃんっていう突っ込みはなし。駅から水曜市場を通り道路を3度ほど横断してザイール・モスクに到着。さすがは土曜日の午前中。ほとんど人がいない。わたしが見た中ではこのザイール・モスクが一番好き。全体のバランスとか天井のモザイクとかきれいだった。とりあえず、見たかったザイール・モスクは見れたのでアロースターには未練はない。でも昨日の夜からまともな食事をとっていないことに気が付いて、水曜市場の屋台でチキンライスを食べる。英語は通じないけどなんとかなった。
水曜市場横のマーケットで非常食用に何か買おうと思って、物色。直径15センチくらいのパンケーキに目がいく。RM4と値札が付いている。でも付いていないところで値段を訊いてみたらRM3.5だという。でもさっきのチキンライスがRM3だったこと考えると高い気がして、次の店に。値段を訊くと1つならRM4、3つならRM10という。3つもいらないのでさっきの店で買うことにして戻った。すると、にこにこ、と笑っておじちゃんのひとりが訊いてくる、どこから来たの? と。すぐに答えずにもったいぶっていると、タイワンミー? と訊かれる。違う、日本人だ、というと、2人は賭けでもしていたのか、ジャポンか、という。やっぱりここでもチャイニーズに見られていたわたしって、本当に日本人なの?

クアラ・ケダーへの道

水曜市場から道路を渡って KTM のアロースターの駅に荷物を取りに戻る。ここでわたしは少し弱気になっていた。水曜市場向かいのバス停からクアラ・ケダー行きのバスに乗らなければならないのだけれど、行き先なんて書いてないし、英語が通じそうもないこの土地でクアラ・ケダーのジェティ行きのバスに果たして乗れるのか。これはぼられても、タクシーで行った方が安全ではないだろうか。そう思いを巡らしながら、駅へと近道をしようと露地を曲がるとそこは探していた HBR のバスの発着所だった。おお、ここから乗ればいいじゃん。
そして、駅へ荷物を取りに行き、そこで KTM のおじさんに、これからどこに行くのか? どうやっていくのか? 訊かれてもクアラ・ケダー、byバスと答えた。バス停は知っているのか? と心配してくれたので、あっちの方と指を指した。さっきの HBR の発着所で訊けばなんとかなるさ、とスーツケースをゴロゴロ転がしながら歩いていると、再びおっちゃんが、Miss! と声をかけてきた。なんとバス停まで送ってやるというのだ。天のお言葉。そう、ここのアスファルト、ゴツゴツでスーツケースがうまく転がらないんだよね。ありがたい。まあ、KTMの制服を着ているから怪しい人じゃないだろう、と思って好意に甘んじて車に乗せてもらう。
おっちゃんが連れて行ってくれたのは水曜市場向かいのバス停。しかもおっちゃんバスの運転手さんにクアラ・ケダーに行くか確認して、そこに付いたら教えてやってとも言ってくれたみたい。ありがたい。この KTM のおじさんのおかげでわたしのアロースターの印象はさらによくなる。しかも乗ったバス、HBR のバスだった。わたしがスーツケースを転がして HBR のバスの発着所に行ってたらきっと間に合ってなかったバスだよ。さらに感謝。お礼をいっておっちゃんに手を振る。
クアラ・ケダーまではRM1.2。車の中でタクシーならRM15だよ、といっていた。やっぱりバスは安いね。15分ほどでクアラ・ケダーのジェティに到着。乗客の中にひとり目の不自由な人が乗っていたんだけど、車掌さんその人をしっかりジェティまで送り届けていた。そういうのを見るだけでなんていいところなんだろう、って思ってしまう。さらにアロースターの株は上がるのであった。

フェリーでランカウイへ

さあ、ランカウイへ行きます! でもジェティはすごかった。プロモーターのいらないか攻撃。まずはホテルから始まり、予約してあるというと、プロモーションがあるからもっといいホテルに変えないか、といわれる、もう支払っているというと、レンタカーはいらないか、パヤ島ツアーはどうだと続く。まあ、全部断っていけば結構あっさり引き下がってくれる。そしてなんとランカウイ行きのフェリーの値段がここでも上がってた! ガイドブックにはRM16。しかし実際はRM18。それもRM16の上からスタンプでRM18と押してあるだけ。つい最近値上げしたんだね。マレーシアはインフレかい?
フェリーは12時半。KTMのおじちゃんのおかげですごくスムーズにここまで辿り着くことができた。予定より早くランカウイ入りできそうだ。ひとつびっくりしたのは、ジェティの待合室のテレビでちびまる子ちゃんが流れていたこと。ちびまる子ちゃんがマレー語しゃべってる。ちょっとびっくりした。でもだみ声ではなかったけどね。放送していたのは有名なマラソン大会の回で、10位になるけどオイルショックのために賞状が8位までしか出なかったっていうやつ。マレーシアでオイルショックってわかるんだろうか?

ランカウイ上陸

いよいよフェリーに乗り込みます。荷物を荷物置き場に置いて窓側に座っていたら、インド人親子にそこはわたしの席と言われる。どうやらこのフェリー指定席のようだ。わたしの座席は通路側。うう、海が見たかった。目のやり場がなく、サービスで流れているキングコングを見ていたら船酔いしちゃったし。しかもラストまで見られないうちにランカウイに到着。約1時間。
自分の荷物をとって、フェリーから下りる。ここでも降りた瞬間からプロモーションの嵐。とにかく無視して、外へでる。前を歩いていたおじちゃんが客引きの話を聞いたあたりでわたしの客引きに捕まってみる。タクシーでホテルまでいかないといけないからだ。客引きはまたホテルから順番に勧めてくるけれど、断るとすなおにタクシーサービスのカウンターに案内してくれた。そして、ホテル名をいうとRM20という。ええ、それは高い、というと、それがスタンダードな値段だ、という。値段表を見せてくれた。うむ。マレーシア全体がインフレなんだね。仕方ない。RM20でホテルまで送ってもらった。すると結構遠い。ランカウイって小さい島だと思っていたら、結構あるのね。ジェティからわたしが泊まるアセアニア・ホテルまでは30分弱。まあ、これならRM20でもしょうがないか。
クアラルンプールで余計な買い物をしたせいですこしお財布が心もとなくなっていたわたしは両替をしたいと運ちゃんにいった。Exchange と言ったけれど通じず、どうしようと思って、Money Change というと拍子抜けするくらいあっさり通じた。Money Change の方がポピュラーな言い方なんだろうか? とにかく両替店に案内してもらったけれど、どこが入り口かわからずうろうろしているとタクシーの運ちゃんついてきてくれた。2階らしい。提示されたレートは3.17。ジョホール・バルの両替屋でMくんが交渉して3.18だった。まあそれを考えるといい数字なんじゃないかと思ってOKした。まあ、年が変わって円高になったのかもしれないけどっさ。少額しか変えないからOK。ここでは1万円がRM317になる。

アセアニア・ホテル

ホテルに着いたのはちょうど2時ぴったり。受付でホテルバウチャーを見せるが手間どう。大型ホテルだからか、今までのホテルのフロントのフレンドリーさはなくあくまでも機械的。ひとり旅行でこれだとちょっと寂しいかなっていう気がした。あてがわれた部屋はなんと建物の一番端の方。軽く500メールは歩く。上には伸びないけど横長なんだね。2階の北側の部屋。部屋は広くてクアラルンプールで泊まっていた部屋が3つくらい入りそう。床はタイル張り。
早速、自慢のプールで一泳ぎしようかと思ったけれど、船酔いなのか昨夜の冷房の効きすぎのせいなのか、だるかったので無理はしないことにした。そう、ここランカウイでのわたしのテーマは「癒し」。いそいそ観光して回るつもりはないのだから。昼ご飯にアロースターで買ったパンケーキとまだ残ってるオレンジを食べる。そしてベッドに横になったらいつの間にか寝てしまった。

ガヤ・ミナミのなまこ石けん

5時前、目が覚める。シャワーを浴びて洗濯をして夕日を見に外へ出た。今日は雲が多く夕日はいまいち。マラッカといい、夕日に恵まれないなぁ。
そして歩いて5分ほどのガヤ・ミナミというおみやげ屋さんにいく。なまこ石けんが気になったから。お店に入って店内を見ていたら、後から入ってきたOL2人組がなまこ石けんに興味を持ち店主が説明しているのを聞き耳を立てていた。つまむとなまこは再生能力が高くガマ油は傷口なんかにもつけると早く治るとか。そのガマ油を使って石けんをつくってみたらしい。オイリー肌の人にも乾燥肌の人にも使えるのだそうだ。ちょっと興味ありますねぇ。この石けんかわいい柄の布に包まれている。見た目のかわいいからおみやげにはもってこいですね。そしてその隣には、タイから輸入品だという美白石けんも売っていた。そうだね、ここランカウイはマレーシアの北。タイなんて近いもんね。
そのOLさんたちもなまこ石けんの購入を決めたよう。1人が10コ、もう1人が6コ、わたしが6コであっという間に山はなまこ石けんの崩れました。石けんを会計するときにどういうきっかけか忘れたが世間話になった。わたしが今日ランカウイに着いたばかりだというと、オーナーはすごく驚いたよう。なぜかというと日本からは飛行機で来るとフライトの関係で夜遅くにしかランカウイにつけないらしい。だから夕方のこの時間に初日でいる日本人はめずらしいのだ。夜行列車でアロースターまで来てクアラ・ケダーからフェリーで来たというと驚いていた。そして話は、シンガポールから徐々に北上しながら旅をしてきたというになる。あと、友達の結婚式だったとか。そして、そうだこの人なら知っているかもと、今までずっと探していたヘナがどこで売っているのか訊いてみた。すると、ナイトマーケットにあるというが、ヘナだけを買いにナイトマーケットまでいくのは気の毒と思ったようで、隣のマレー人の女の子に訊いてきてくれるとのこと。するとランカウイ・フェアの2階のフードコート横の怪しめな薬局で売っているとのこと。ありがとうございます。これまで、Mくんのスーパーに売っているんじゃない? の一言で探してはみたものの、見つからなかった。薬局か。それはマニアックだ。お礼を言ってお店を後にした。
夕飯は、ホテルまでの帰り道にあった BOOM BOOM CORNER というマレーご飯屋さんでとることにした。ナシゴレンとマトンのカレーとロティーというインド風のパンみたいのにすいかの生ジュース。なかなかおいしかったです。ホテル横のコンビニで水を買って帰る。
夜、予約していたマングローブ・ツアーのタンさんから電話あり。明後日はだめだけれど、明日なら人が集まったので開催とのこと。明日マングローブツアーだ。

通路

1等個室横の通路。実を横にしないとすれ違えない。

2等寝台

2等寝台。

「TOKAI」

急行も止まらないくらい田舎なのに「TOKAI」と名の付いた駅。思わず笑ってしまった。

アロースター到着

1時間遅れで。アロースターに到着。

ザイール・モスク

アロースターのザイール・モスク。

腰壁のモザイク

腰壁のモザイク。

プカン・ラブ

プカン・ラブ(水曜市場)。ここで朝ご飯を食べる。

チキンライス

プカン・ラブで食べたチキンライス。

バス停

水曜市場前のバス停。ここらかクアラ・ケダー行きのバスも出ている。

HBR のバス

クアラ・ケダーまで乗ってきた HBR のバス。

ジェティ前

クアラ・ケダーのジェティ前。この景色が見えたら降りる。奥の肌色の建物がジェティ。

フェリー

ランカウイ行きのフェリー。RM18 と値上がりしていた。

鷲の像

ランカウイ・ジェティそば、イーグル・スクエア内にある鷲の像。ランカウイの「ラン」は「鷲」の意味。

パンケーキ

水曜市場横のマーケットでかったパンケーキ。RM3.5。けっこうボリュームがありランカウイの昼食は全部これになってしまう。

夕日

パンタイ・テンガーからの夕日。今日は雲が多くてあんまりよく見えなかった。

市場で昼食

BOOM BOOM CORNER で夕食。ナシゴレンとマトンのカレーとロティーとスイカのフレッシュ・ジュース。