5日目 — 2004.7.3

ホランポーン駅

今日、明日とフリー。今日は自力でアユタヤに行くことにする。アユタヤへはバスと電車があるがここは電車を選んだ。まず、ホテルでタクシーを呼んでもらってホランポーン駅へ向かう。ガイドブックにファランポーン駅と書いてあったのでそう発音したら、近くのBTSの駅だと勘違いされ歩いていける、と言われてしまう。アユタヤへ電車でいくことを何とか英語で伝えて、やっと鉄道の駅だということをわかってもらった。そして駅の名前のタイ語での発音はファランポーンではなくホランポーンに近かった。
タクシーに乗ること20分ほどでホランポーン駅に到着。なかなか立派なターミナル駅だった。アユタヤへの列車は30分ほどなく9時10分の列車に乗ることに。値段は15B。安い。駅に併設されてるコンビニでその日のお昼ご飯にパンと熱射病対策の水を買って、駅をぐるりと回ってホームに向かった。 ホームにはもう列車が入っていて一番手前の車両に乗り込んで出発を待っていた。出発間際、隣に座ったおじさんがわたしたちの旅を恐ろしいものに変えてくれた。

列車でアユタヤへ

何がきっかけか忘れたけれど、おじさんはわたしたちに話しかけてきた。わたしたちが見ていたガイドブックをめくって、いろいろアユタヤのみどころ、バンコクで地下鉄が今日開通したことなど教えてくれた。英語もできて身なりもきちんとしていて、話しているうちに自分は警察官だと言い始める。このあたりでよくガイドブックに載っているだます人の風貌に酷似していることに気が付いたんだけど、まさか自分たちがだまされているとは思ってもみない。そして、いろいろ教えてくれるおじちゃんのことをすっかりいい人だと思い込んでいたのだ。
けれどそれは違っていた。バンパイン宮殿がきれいだと売り込み、そして、川の近くにいいレストランがある、それからおみやげはここがいい、そして観光して回るのはソーケー(トラックの荷台にいすが付いてるもの)が安全だと教えてくれた。わたしたちは地元の情報を教えてくれていると思い込んでいたのだけれど、いつの間にか、彼の口車に乗せられ、彼の描いているアユタヤ観光を回ることになってしまっていた。そして、あまり深く考えることもなく、アユタヤの1つ手前のバンパイン宮殿の最寄り駅で降りてしまったのだ。こうなったら、もうおじさんのペース。駅前に停まっていたソーケーを捕まえ、ご丁寧にこことここを観光してここで昼ご飯、とまるでツアーのようにコースを組んでくれてソーケーの運転手に回るように頼んでいた。少し不信感を抱きながら成り行きを見守っていたものの、値段交渉に入ったときにだまされた、と思った。1日1人2000Bと初めは提示してきたのだ。昨日、ワッチャイリンさんがアユタヤでトゥクトゥクをチャーターして1人500B払った話をしてくれて、それは高いからと注意をしてくれていたのをわたしは覚えていた。負けさせて1人550Bにしたものまだ高い。断ろうにも駅前にはほかの交通機関はない。こういう状況に置くのがおじさんの狙いだったのだ。結局1人550BでOKしたものの、納得いかない。隣できみはバーツを日本円に換算して1人1500円なら安いじゃん、といっていたが。

バンパイヤー宮殿

とりあえずソーケーに乗り、バンパイン宮殿へきてしまった。入場料100B。バンパイン宮殿へ入るもののなんかしっくりしない、このままアユタヤ観光を続けてもおもしろくないんじゃ、と思い、きみにわたしの疑念を伝える。「わたしたちボられてるよ」と。きみはこのまま観光を続けても一向に構わなそうだったけれど、だまされてるよ、としつこく説得。そんなに心配ならワッチャイリンさんに電話をして聞こうときみが提案してきた。そしてバンパイン宮殿の中で観光そっちのけで電話を探すが、全部カード式でコインではかけられない。カードを買おうとするもののどこにも売ってない。
結局、入り口の係の人に頼んでワッチャイリンさんに電話するものの不通。受付の人や他のガイドさんなどにも聞いてみるが皆口をそろえてそれは高いという。やっとワッチャイリンさんに電話がつながって今まであったことを話すと、それは高いけどもう乗ってしまったらどうにもならないからそのまま観光しなさい、というお言葉だった。
ここからがわたしたちの無謀なところで、高いと確信を持ってバンパイン宮殿を後にしてソーケーに向かうが、運転手に「高い」と文句をいい、結局ソーケーを降りることになる。手切れ金で1人20Bを渡すものの、それじゃ納得してくれず、100Bを渡しソーケーとはここでお別れ。
問題はここから、ここはアユタヤから30km離れたバンパイン宮殿だ。たぶんこの時間電車も通ってない。どうやってアユタヤへ行くか。結局さっきの受付の人にまた助けを求め、トゥクトゥクでアユタヤまで連れて行ってもらうことになる。とんでもなく人騒がせな観光客だ。

ワット・プラ・シー・サンペット

トゥクトゥクのおじさんはレンタサイクルの店の前で降ろしてくれた。バンパイン宮殿からアユタヤ駅前まで100B。本来より余計にかかってしまったけれど、アユタヤからバンパイン宮殿を見に行ったと思えばそんなものでしょう。
ここからは気分を変えてレンタサイクル、1日30B。レンタサイクルを借り、熱中症対策に1.5lの水を買う。そしていよいよアユタヤ観光スタート。橋を渡って自転車を漕ぐこと15分遠くに3つの塔が見える。ワット・プラ・シー・サンペットだ。その近くに自転車がいっぱい止めてあったの自転車置き場かと思ってそこに置こうとすると、違うと言われる。どうやら、レンタサイクル屋だったみたい。公園みたいな中を自転車で走り、ワット・プラ・シー・サンペットの前へ。適当な場所に自転車を停めて観光。たしかにアユタヤは世界遺産でこの崩れ具合といい4年前に来たときは大変感動したのだけど、正直いうと、アンコール・ワットを見てしまったあとにアユタヤを見ても感動が薄い。順番を間違えたか?

ワット・ロカヤスタ

次は寝釈迦像で有名なワット・ロカヤスタへ向かう。緑の看板が立っていたのでそこを曲がってみたものの、寝釈迦像はがありそうな雰囲気は一向にない。道を間違えたと引き戻り、もう一つ向こうの角を曲がってみることにした。それから走ること10分。明らかに見当違いな川沿いに出てきてしまう。また道に迷う。ガイドブックの地図とレンタサイクル店でもらった地図のワット・ロカヤスタ付近は道がそれぞれ違う。どちらを信じたらいいのだろう。そしてまた道を引き返し、途中の緑の看板を曲がってみた。道の両脇に住宅が建ち並ぶあぜ道。本当にこの道でいいの? と思いつつとりあえずペダルを漕ぐと、なんといきなり目の前に寝釈迦像が現れた! 見つけたときのうれしさといったら。落ち着いて周りを眺めてみると、初め曲がった角でよかったようだ。

ワット・プラ・マハタート

そして仏像が木の根に抱き込まれているワット・プラ・マハタートへ。地図をみながら今度はそれほど迷うことなく、ワット・プラ・マハタートへ到着。でも看板はワット・マハタートでプラが抜けていた。自転車で入っていくとここに停めろと料金所の脇を指定される。入場料30B。
このとき時間は午後の4時。さすがに何も食べず炎天下を自転車で走ってたら辛い。今朝昼食にと思って買ったパンはあのソーケーの中に置いてきてしまったのだ。ワット・プラ・マハタートを見学したあと、駅に向かいつつ途中のファミリーマートでパンとジュースを買う。ここで食べてしまいたい
が、駅まで何があるかわからないし、列車を乗り逃したらそれこそ大変なので、ここはぐっと我慢して駅へと進む。 行きは川を迂回して橋で渡ったのだけれど、今度は渡し船に乗ることに。料金は2Bだが、自転車持ち込みで4Bだった。ここで船乗り場まで階段を30段くらい下りなければならなく、自転車を持って苦戦していると、地元の中学生が手伝ってくれた。ありがとう。バンパイン宮殿であんなことがあったから余計にやさしさが心にしみる。

アユタヤ駅、バンコクへ

バンコクへの帰りの切符はなぜか行きより高い20B。なぜだろう。そして、ホームで電車を待ちながら、ファミマで買ったパンとジュースをほおばる。生き返る。先に逆方向の列車が着てその次の17時15分のバンコク行きに乗る。座った席はなぜか窓が開かないところでものすごく蒸し暑かった。
ホランポーン駅に到着するとコンコースのパノラマヴィジョンで国王も参列した地下鉄開通のニュースをやっていた。どうやらあのおっちゃんは全部嘘を言っていたわけではないようだ。まあ、だから信用してしまったんだけど。タクシーを拾おうと駅前に出ると人の群がっているところがある。そこがホランポーン駅の地下鉄乗り場だ。皆、王様参列の開通式が終わったら、1番のりするつもりでゲートが開くのを待っているらしい。この混雑ぶりをリポートしようとか、テレビカメラにも出くわす。
駅前からタクシーでサヤームスクエアに向かう。タクシーを捕まえるときメーターがちゃんと付いてるか、窓からのぞき込んで確かめていたら何台かに逃げられた。やっとの思いでタクシーに乗ると、駅前なんだから早く乗れ、とタイ語で怒られた。

サヤームスクエア、MBK、タイスキ

車が多いなかサヤームスクエアに到着。サヤームスクエアは日本で言ったら原宿みたいなところで今流行のお店が立ち並ぶ。きみはその中の1つのお店でCDを買った。1枚はタイの女性シンガーのものでジャケットのイメージは Tommy february6 に似ている。もう1枚は今タイで売れ行き1番らしいカンボジア人の歌手のもの。わたしたちがお店にいる間に何人かが手にとって買っていったので本当に売れてるんだろう。しかしサヤームスクエアは日本でも買えそうなものが多く、わたしたちが求めてるアジアン雑貨的なものは売ってなかった。
そこで、きみの希望でスーパーへいくことにする。スーパーがありそうな MBK に隣接してるTOKYU へ。食品売り場は地下だという日本の常識を持って、下りのエスカレーターに乗ったもの、この建物には地階はなく、食品売り場は4階だった。きみは仕事場の人や家族などたくさんおみやげを買っていたが、わたしが買ったのはいつも使っているタイカレーのペーストとライチの缶詰(セール品)。
計画ではサヤームスクエアのカントンかコカでタイスキを食べる予定だったのだけれど、TOKYU と MBK の連絡口近くに MK を発見。サヤームスクエアまで戻るのも面倒だから入ってみることにした。
地元の人が来ることが多いらしく英語もあまり通じなかったけれど、メニューは写真入りで英語と日本語でも表記してあったので指差しで注文。食べ方もどうするか困っていたら、ジェスチャーで教えてくれた。でも頼んだエビアンを氷り入りのコップに注いでくれちゃったのはいただけなかったけれど。何口が飲んでしまったけれど、どうもおなかがゴロっとしたので、お行儀が悪いけどボトルからそのまま飲むことにした。しかしきみは氷り入りのアイスティーをおいしそうに飲んでいた。

BTS

BTSの乗り換えがよくわからなかったのでサヤームからBTSに乗って、ホテルの最寄り駅のプロンボンへ向かう。BTSは昼間に乗った鉄道とは違って冷房も効いてるし、きれいで快適。5つ目で下車。駅からホテルまでは直線距離だと近いのだけれど、道が斜めに通っているためV字型に遠回りしなければならない。すぐそこに見えているのに遠い。結局15分くらい歩いてインペリアル・クイーンズ・パーク・ホテルに到着。なんだかほっとした。

インペリアル・クイーンズ・パーク・ホテル

宿泊したインペリアル・クイーンズ・パーク・ホテル。とりあえず大きくてきれいなホテル。

ホランポーン駅

ホランポーン駅。タイ国鉄のターミナル駅。ここからアユタヤやチェンマイなどに列車が出発している。

列車

乗ったアユタヤを通る電車。

列車車内

社内の風景。下の方に写ってるのがわたしたちを口車にのせたおやじ。

バンパイヤー宮殿

バンパイヤー宮殿。確かにきれいだけれど、2回くるほどじゃあないなあ。

植木のゾウ

バンパイヤー宮殿の庭。ゾウの形に植木が剪定してある。

トゥクトゥク

バンパイヤー宮殿からアユタヤ駅へと向かうトゥクトゥク。ミラーに映っているのがわたしときみ。

ワット・プラ・シー・サンペット

ワット・プラ・シー・サンペットの3つの塔。

ワット・ロカヤスタ

迷った末に着いたワット・ロカヤスタの寝釈迦像。山吹色の布地がきれい。

タイのトイレ

ワット・ロカヤスタからワット・プラ・マハタートへ向かう途中によったトイレ。便器の縁に立って用を足すらしい。

ワット・プラ・マハタート

ワット・プラ・マハタート。記念写真を撮るときはお釈迦様の頭より上にならないようにしゃがんで撮る。

地下鉄開通

地下鉄開通を待つ人々。ホランポーン駅前。

タイスキ

MK のタイスキ。

ホテルの部屋

インペリアル・クイーンズ・パーク・ホテル、部屋の中。比較的ゆったりとしている。アメニティーも結構そろっている。