3日目 — 2004.7.1

アンコール・ワットと朝焼け

眠い目をこすりながら、2回目のアンコール・ワットに向かう。雨は夜ちょっと降って止んだみたい。参道を歩いてゆくと徐々に空が明るくなってくる。きみは参道脇から朝焼けを眺めることにしたみたいだけど、わたしはもっと奥の右側の池の前に向かう。朝焼けの空とアンコール・ワットと池が一直線にならび、朝焼けとアンコール・ワットがちょうど池に写るからだ。
アンコール・ワットの日の出を見学した後、ホテルに戻って朝食。それから、今日はアンコール・トムに向かう。

アンコール・トム

アンコール・トムとは大きな町という意味を持ち、高さ8mの城壁に囲まれている。東西南北に5つの門がありそれぞれ戦勝の門や死者の門など用途によって入ってくる門が変わるらしい。この中にバイヨンや象のテラスなどがある。
南大門からアンコール・トムに入る。この門は今までよりも大きく、大型バスもその下をくぐり抜けられるくらい。南大門からまたワゴンに乗って(歩くと結構な距離があるらしい)、バイヨン到着。バイヨンはアンコール・トムの中央に位置する。バイヨンのレリーフを見学後、中央祠堂に登る。今までの遺跡とは違いごちゃごちゃして迷路のような印象。なかなかおもしろい。人の顔が四面に掘られた塔(観世音菩薩の四面塔)が何本も建っている。このモチーフは今まで見たタ・プロームやプリア・カンなどでも見られたものである。
その後、歩いて象のテラス、ライ王のテラスに向かう。途中、移動郵便局で絵はがきを購入。
きみのリクエストで歯を見せて笑うデバターを見に3回目のアンコール・ワットへ。今度は端の象の門からアンコール・ワットに入場。時間が余ったのか、15分自由時間だったけれど、風通しのよいところでアンコール・ワットを眺めながら座っていた。アンコール・ワットって眺めていて飽きない。
昼食はアジアン・ビュッフェ。のどが渇きすぎで1.5lのエビアンをほとんど飲み干してしまった。

スラ・スランとバンテアイ・クディ

午後、昼食後休憩を2時間ほど挟んで観光再開。ほんと暑くて昼休憩をしないと体が参ってしまう。休憩中、午前中に買った絵はがきを書いた。軽くシャワーを浴びて昼寝をして、出発。ダラさんにまた寝ましたか? と聞かれてしまう。
まずはスラ・スランへ向かって、いつものようにサッカー場の脇を通り過ぎ、遺跡群へ向かう。するとなんとなく雲行きが怪しくなってきた。晴れ女のきみのテンションが上がってないことが原因らしい。部屋を出る前に午後の観光はもういいよ、と言っていたし。
スラ・スランに到着。今までの遺跡とは違ってだだっ広い池、ではなくて王様の沐浴場。ここは世界一大きなお風呂ね、とダラさん。ポルポト時代にはこの遺跡も水田にされていたそうだ。
その道を挟んで向かいの森を進むとバンテアイ・クディ。ここも門、テラス、十時の回廊をもつ石造建築と続く。上智大学が調査したときに仏像が何体も地中から出てきたそうだ。もともとヒンドゥー教の寺院だったものがジャヤヴァルマン7世の時代に仏教寺院に改造されたため柱のヒンドゥー教の神々は削られている。人も少なく適度に荒廃した感じがよかった。
ちょうど一番奥までさしかかったところで、雨が降り出す。あわてて記念写真を撮って中央祠堂まで戻って雨宿り。10分くらい休んでいるとスコールは上がった。観光が一区切りついたところでちょうどよかったというか、きみは驚異の晴れ女らしい。

プレ・ループ

雨に濡れたバンテアイ・クディを後にして、次はプレ・ループへ。この遺跡は今までの遺跡より時代が古いらしく、基礎がレンガでつくってあった。ここは火葬場であったらしい。アンコール・ワットのミニ版のように高くそびえ建つ中央祠堂。階段も結構急だけど、昨日のアンコール・ワットに比べたら踏み面が大きく登りやすい。
ここからの眺めはすごくいい。森の国カンボジアって感じ。
時間があまったからか、ダラさんがカンボジアでわたしたちの名前を書いてくれたんだけど、きみの名前だけ文字の下にヒゲが生えている。何かと訊いたら、子音の足だという。足って何? としつこく訊いたんだけど、結局、足が生えると少し発音が変わることくらいしかわからなかった。カンボジア語は多くの音を持つらしい。母音が15、子音が36、まだほかにもあるらしい。これだけの音があると、英語でも日本語でもカンボジアの音ですべて表せるから、カンボジア人は外国語を習得するのが楽らしい。発音してもらったけど、違いがわからなかった。50音弱の違いしか聞き取れない耳しか持っていないからしょうがないのかな。
また、スコールが降り始めたので慌てて、ワゴンに戻る。シュムリアップに戻る途中は大雨だった。
シュムリアップに戻ってもまだ5時半だけれど、早めの夕食。今日もクメール風中華料理。

アンコール・ワット朝焼け

アンコール・ワットと朝焼け。

バイヨン

バイヨンの京唄子に似た観世音菩薩の四面塔。

尼さん

バイヨンにいた尼さん。お線香をあげるように誘われた。しかし 500 リエルのお賽銭では不服だったよう。

象のテラス

象のテラスのゾウ。鼻が長い。

スラ・スラン

スラ・スラン。とりあえず大きい。

シュムリアップ

突然のスコール、雨宿り、バンテアイ・クディ。

シュムリアップ

シュムリアップの街の様子。