2日目 — 2004.6.30

カンボジア、シュムリアップへ

シュムリアップへは8時の飛行機ということで5時にモーニングコールが入る。悠長に部屋に置いてあったウエルカムフルーツに手を出していたら、待ち合わせの6時の15分前に。すべて荷物を持って、ロビーに降りるとすでに、ガイドのワッチャイリンさんが来ていた。荷物を預けてにホテルでバイキングという名の朝食。とりあえず食べやすそうなものをお腹に詰め込んで出発。
空港までは車で30分くらい。朝早いので渋滞もない。昨日の夜景とは違い、バンコクのお寺がきらきら光っていてきれいだった。
シュムリアップまではバンコクエアウエイズという航空会社のプロペラ機。ここでも座席が扉の近く。シュムリアップへは空路1時間ほどの旅なのだけれど、なんと朝食が出た。こんなんならホテルで無理矢理押し込んで来るんじゃなかった。
さあ、いよいよバンコクの街から、森の国カンボジアへ。

シュムリアップ空港

一番後ろでドアに近い席ということで、先頭切ってタラップを降りる。なかなか気分がいいものだ。シュムリアップの空港にはバスなどというものはなく、歩いてターミナルまでゆく。ターミナルはこぢんまりとしていて、ものすごく田舎に来てしまった、と実感。だって建物に入ってから、入国ゲートまで30mもないんだよ。
同じ飛行機に乗っていた人はほとんど、ビザの発給窓口に並んでいたけれど、わたしたちは日本でビザを取ってきたのでそのまま入国審査の窓口へ。ここもやっぱり一番に通り抜ける。こんなに早く飛行機から降りられるなら、空港でビザをとっても時間的にあまり変わらなかったのではと思ってしまったけれど、飛行機の座席がドアの近くになるなんてわからないもんね。そして、あまりに空港が小さいから、荷物を取る前に外に出てしまいそうになる。危ない。
無事荷物を受け取り、空港の外へ出るとガイドのダラさんがお出迎え。なかなかの好青年である。

プリア・カン

空港からはワゴンに乗ってまずは料金所でアンコール・パスを作る。日本から持ってきた証明写真をダラさんに渡す。アンコール・パスは3日有効券で40$。でもこれはツアー代金に含まれてるので出費はなし。ダラさん曰く、これを作らないとツアーガイドが罰金をとられるらしい。
森の中、堀の縁を回ってこれから向かう遺跡は、タ・プローム、と思っていたら、首のない像が橋の両端に並ぶ遺跡に到着。明らかにここはタ・プロームじゃないぞ、と思っていたら。説明を聞くとここはプリア・カンという遺跡らしい。どうやら日程表に書いてあった順番とは違う順序で回っているらしい。プリア・カンはジャヤヴァルマン7世が父の菩提寺として建てたものらしい。
きみは出口付近にあったナーガとガルーダという神様に夢中。格好を真似て写真を撮ってたりした。わたしにはビックリマンチョコについてたシールのキャラにしかみえないんだけど。

ニャック・ポアン

次に訪れたのは、森の中に正方形に開けた石段のある遺跡、ニャック・ポアン。ガイドのダラさん曰く、ここは昔の病院だったらしい。でもよくよく話を聞くと、病院というより占いに近い感じで、洞窟で占ってもらったあと、正方形の遺跡で4辺にそれぞれ奉られているゾウ、人、ライオン、馬の一つへ行けといわれて、そこでお祈りするらしい。ゾウは水、人は地、ライオンは火、馬は風を表すらしい。それぞれの像の口からは水が流れ出る仕組みになっていて、なかなか仕掛けが凝った遺跡である。
ガイドのダラさんは一通り説明し終わると後は自由に回ってという。どうやらこの暑さで森の中にぽっかり空いた炎天下を歩く気にはなれないらしい。わたしときみで歩いたけど、結構ひろくて中央祠堂に近づくのはやめてしまった。

タ・プローム

次はいよいよ、タ・プローム。きみが絶対行きたいと念を押していたところだ。ワゴンから降りて、密林の中に鎮座する遺跡をぼ〜と見上げて歩いていたら、なんと牛のフンを踏んでしまった。それまで近づいてきてた売り子のおねえちゃん達もわたしがフンを踏んだのを見て引いてゆく。ああ、カンボジアまできて牛フンか〜。
とにかく、タ・プロームは見所いっぱい。どこでも絵になる感じ。ガジュマルの木が遺跡を巻き込んでそびえたっている。ダラさんの解説によると、ここが発見当時の様子を残しているただ一つの遺跡らしい。つまり他の遺跡も見つかったときは、こんなふうに木の根にまみれてたってことらしい。
もう少しこの密林でぼ〜としてみたい気もしたけれど、ガイドのダラさんに急かされて、心残りながらその場を立ち去る。
昼食はシュムリアップの街まで戻って、クメール風中華。要は中国人が経営しているレストラン。炒め物、麻婆豆腐とおいしくいただく。
昼食後、ホテルにチェックイン。ホテルはサリナホテル。3時から午後の観光の約束をして、それまで休憩。大きいホテルで部屋も結構きれいだった。今日は早起きだったのでホテルのベッドで昼寝。

アンコール・ワット

寝ぼけ眼でエントランスに降りてゆくと、ダラさんに昼寝していたことを指摘される。どうやら非常にわかりやすい顔していたらしい。
そしていよいよアンコール・ワットへ。さっきも通った堀の横を通って向かった先はアンコール・ワット。そしてついてワゴンを降りた瞬間、眠気が吹っ飛んだ。水にうかぶアンコール・ワットは壮大っていう言葉がぴったり。参道から掘を渡り西門へ。西門をくぐり長い参道をさらにあるく。定番の池前左のアンコール・ワットを見る。よく見かける水面に5つの棟が立っている写真はここから撮ったものだ。そして右から池に写るアンコール・ワットも見る。なぜか不安定さを感じる。どうしてだろう。
そのまま脇の小道を歩き第一回路へ。ここは創建者であるスールヤヴァルマン2世の軍隊の行進レリーフが壁にずらりと彫られている。先頭を歩くのはシャム(昔のタイ)人の雇われ部隊。タイ人のガイドはこれは説明しないとダラさん。カンボジア人は全体的に隣国であるタイに対していい感情を持っていないようで、タイに対する敵対心からくる言葉が何度か聞かれた。まあ、アンコール・ワットの財宝を根こそぎ持って行かれたのだから、いい感情は持たないだろうね。

急勾配、足がツる

そしていよいよ中央祠堂に上る。その階段はなんと70度ほどの急勾配を持つ。上るのはいいけど降りてこられるか心配。とりあえず、カメラをバッグの中にしまい臨戦態勢で階段に挑む。カンボジアの砂な細かいらしく、スニーカーを履いていったのに滑りそうで怖かった。ちなみにあまりにへっぴり腰だったからか、西洋人に手を差し伸べられてしまった。ありがとう。
そして登りきりアンコール・ワットを上から眺める。どうやらわたしが上るのがあまりに遅かったのできみとはぐれてしまったようだ。中央祠堂は眺めはよかったんだけど、なんだか鳥のフンみたいなにおいが時々鼻をかすめてゆく。一体何の臭いなのかかなり不思議なところ。
帰りは手すり付きのところから降りたんだけど、降りるのは上るのに増して遅い。わたしの前でどんどん列が開いてゆく。左足から一段一段踏みしめながら、確実に降りてゆく。なんとか降りきってきみとダラさんと合流したのはいいのだけれど、なんだか左足の太股がおかしい。どうやら極度の緊張で力を入れすぎてつってしまったらしい。情けない。普段の運動不足がたたってる。なので第一回路の西門付近で休憩。ここはアンコール・ワットのなかで一番風通しがよくて涼しいらしい。
休んでいるとカンボジア人年配の女性がダラさんに話しかけてきて、ディスカッションを始めてしまった。どうやら最近の若者は〜的な話をしているらしい。どこの国、どこの時代でも年寄りが話すことって一緒なんだねえ。

プノン・バケン山

アンコール・ワットから車で5分も走らないうちに、サンセット・ポイントであるプノン・バケンに到着。ここは高さ60mほどの山というより丘なんだけど、その参道はアンコール・ワットに負けず劣らずかなり急勾配。足をつってしまったのを休んで直してきてよかった。入り口にはゾウもいてそれに乗って上ることもできるらしい。急勾配といってもここは山、アンコールのような階段はなく、自分で道を選びながら登らなくてならない山道だ。
登り切ったところには遺跡がある。これがプノン・バケンだ。ここからはアンコール・ワットも眺められるらしくそのポイントに向かっていると、きみが遺跡の柱跡に水が溜まっているところにすっぽり右足を入れてしまった。おかげで足はぐちょぐちょ。でも、あまりのすっぽりはまり具合にちょこっと笑ってしまった。ごめん、きみ。タ・プロームでのわたしの牛フンといい、今回の水たまりといい、シュムリアップは足下注意!
日が沈むまで遺跡に腰かけて休憩をしてから、夕焼けを眺める。夕日は雲が少しかかっていたものの、雨季にしてはきれいな夕日だったのではないだろうか。暗くなると下山が危ないので日が完全に沈みきる前に席を立った。
さて問題の下山。きみはゾウに乗りたそうだったし、わたしは急勾配の斜面を降りる勇気はない。ゾウ乗り場でさんざん悩む。でも結局、ゾウに乗ったところを撮ってもらう人がいない、という理由で徒歩で下ることに。ダラさんとは夕日の途中別れて、プノン・バケン山の登山口で待ち合わせしていたのだ。
またへっぴり腰で何とか下りきったあと、ゾウの道を見るとそこから歩いて出てくる人がいるではありませんか。そう、わざわざ急勾配の山道をくだらなくても緩やかなゾウの道を下ってくればよかったのだ。こんなしんどい思いをしてちょっぴり損をした気がする。

カンボジア宮廷舞踊

さて夕食はカンボジア宮廷舞踊を見ながらビュッフェ。後からガイドブックとにらめっこしたころによると、クーレン II というお店らしい。
きらびやかな衣装を身にまとった男女が踊る。なかには日本のドジョウ掬いに似ている踊りもあった。音楽は日本の祭囃子に似ている感じ。やっぱり同じアジア、似てるんだなあ。食事中、風で何度もエビアンのペットボトルが飛ばされる。雨降りそう。
コンビニで水を調達してからホテルに戻る。コンビニでなぜか歯磨き粉を買ってしまった。そしてダラさん、歯磨き粉という日本語を知らなかったらしく、何度も聞いてくる。でも発音が難しいみたい。
最後、明日アンコール・ワットの日の出雨だったらどうしますか? と聞かれて、きみは絶対雨は降らない、と言い切る。さすが晴れ女。明日は今日に負けず劣らず朝4時のモーニングコール。

バンコク朝日

バンコクの朝日。早起きしないと見られません。

プロペラ機

シュムリアップまではプロペラ機。小さいわりには揺れませんでした。ただ天気がよかったから?

首なし像

プリア・カンの門前の像。首がないのは盗まれたから。悪いことするなあ。

積層建築開口部

積層建築の開口部部分。石を少しずつせり出して下部に空間を造り出している。

ゾウの像

基礎は赤っぽくごつごつしたラテライト。上部は彫刻しやすい砂岩。

夕焼け

ニャック・ポアンのゾウの像。口から水が出てくるらしい。

タ・プローム

タプローム。木の根に遺跡が飲み込まれている。圧倒。

アンコール・ワット参道

アンコール・ワットの西参道から。まだまだ先は長い。この位置からだと中央祠堂が見えないのも計算のうち。

アンコール・ワット聖池前

右側からのアンコール・ワット。あまり好まれない理由は木の位置のバランスが悪いから?

急な階段・中央祠堂

中央祠堂までの登るのを拒むかのような急勾配の階段。蹴上げが高く踏み面が狭いのせものすごく登りにくい。

プノン・バケン

プノン・バケン越しのアンコール・ワットと夕日を待つ人々。

カンボジアの夕日

プノン・バケンからの夕日。極論すると地球上どこで見ても夕日。

アプサラダンスショー

アプサラダンスショー。音楽は日本の祭り囃子っぽい。踊りはドジョウすくいみたいなのもあった。踊り子さんたちはみんな色白できれい。